戦時性暴力

「今の人身売買の被害者の苦境に光をあてるためにも」

メリーランド州議会の上院本会議で「慰安婦」決議が全会一致で可決した、とのニュースです。 朝日新聞デジタル 2015年3月19日 慰安婦決議、米州議会で可決 「歴史的記録にとどめる」 提案者の議員は提案理由として「恐ろしい時代に起きたことを記憶するだけ…

「道義的責任」の成れの果て

http://blogos.com/article/108036/ https://www.youtube.com/watch?v=wy1-ckr8FIE&feature=share 無残、のひとことです。秦郁彦氏が? いやいや、大沼保昭氏のことです。アジア女性基金派が主張する「道義的責任」の内実がなんであったかが明らかになった…

TBS Session 22 「資料から読み解く慰安婦問題」

荻上チキ氏のラジオ番組 Session 22、2月25日放送分では林博史さんと梁澄子さんが出演、河野談話以降の研究成果を中心に紹介されていました。 さて、番組で紹介された資料のうち、就労詐欺により女性を海軍慰安所に送り込もうとした業者が有罪判決を受けた大…

極右が何人寄ってもアメリカ人に「理解」してもらえるための知恵なんて出ない

自民党の「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」委員会と称する事実上の「ジャパンディスカウント」特命委員会の様子が佐藤正久公式ブログで紹介されてます。 http://ameblo.jp/satomasahisa/entry-11986431344.html ある意味、「ぜひ最後までやり…

『朝日』は歴史修正主義者たちによる提訴で本気を出すだろうか?

http://www.sankei.com/affairs/news/150126/afr1501260037-n1.html 「朝日新聞を糾す国民会議」が原告を募集していた訴訟の提起を伝える『産経新聞』の記事ですが、植村隆氏が『週刊文春』と西岡力氏を訴えた時とは随分態度が違うのは、気のせいでしょうか…

「証拠を出せ? 出したらちゃんと自分の目で見るんだろうな?」その13

このシリーズ、久しぶりの更新です。『季刊 戦争責任研究』*1の第83号(2014年冬季号)に「河野官房長官談話(1993年8月4日)後に発見された日本軍「慰安婦」関連公文書等資料」(第12回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議)が掲載されています。といっても…

植村隆・元朝日新聞記者が西岡力らを提訴(追記あり)

ニュースについてはみなさますでにご存知だと思いますのでリンク等は省略します。 植村元記者が書いた金学順さんについての記事を特に焦点化して「朝日が慰安婦問題を捏造した」とする右派のデタラメについては当ブログでも「『池田信夫の捏造』完全版」他の…

右翼の皆さん、来年の朝日新聞にご期待ください!

いやぁ、暮れも押し詰まってきたところでやってくれましたよ、朝日新聞。 「慰安婦問題を多角的に考えていくため、国内外の識者に様々な視点で語っていただく企画を始めます」という触れ込みで12月28日から始まった連載「(慰安婦問題を考える)」。トップバ…

あれ? 「慰安婦像のせいで在米日本人がいじめられてる」のではなかったの?

12月12日に行われた「慰安婦問題に終止符を! 〜日本の未来の為に 立ち上がる女性たち〜」(主催:なでしこアクション)の動画が Youtube にアップロードされている(ttps://www.youtube.com/watch?v=NJXPX_WDYWY)。集会にビデオメッセージを寄せている杉田…

これが21世紀の「進歩的文化人」(by 西尾幹二)だっ!

昨日発表された朝日新聞第三者委員会の報告書。私のTLは北岡伸一担当部分の話題で持ちきり、といった感じです。 吉田証言が怪しいということは、よく読めば分かることである。従軍慰安婦と挺身隊との混同も、両者が概念として違うことは千田氏の著書…

どう考えても戦略的には不利なのに、ミソジニーだだ漏れを止められない人々

「テキサス親父」の振付師である Shun Furgason こと藤木俊一氏がフェイスブックにて、小山エミさんに対する誹謗を含むポストをしたところ、コメント欄がミソジニーだだ漏れ状態(あまりに不快なので具体的には紹介しません)。時折「それはまずいのでは」と…

右派の「無能な味方」コレクション

産経ニュース 2014.11.27 米政府の慰安婦問題調査で「奴隷化」の証拠発見されず…日本側の主張の強力な後押しに この記事での産経の主張のマヌケっぷりはすでに複数の人によって指摘されているのですが、念のため。日本軍「慰安婦」問題否認派にとっての期待…

右派による「日本を貶める策謀」も選挙の争点でしょ

8月の『朝日』による「慰安婦」報道検証から先日の『読売』英字紙(Daily Yomiuri, The Japan News) の「性奴隷」表現に関するお詫びに至るまで、海外では日本の右派に好意的な報道など皆無と言ってよいでしょう。産経がテキサス・親父に続いて担ぎ出したマ…

『読売新聞』も世界を相手にした「歴史戦」の宣戦布告へ

YOMIURI ONLINE 2014年11月28日 「本社英字紙で不適切な表現…慰安婦報道でおわび」 いわゆる従軍慰安婦問題の報道で、読売新聞発行の英字紙「デイリー・ヨミウリ」(以下DY、現ジャパン・ニューズ)が1992年2月から2013年1月にかけて、「性奴隷…

商魂たくましい『読売新聞』

中公新書ラクレの『徹底検証 朝日「慰安婦」報道』だけでは飽き足らず、読売新聞取材班は中公ムックから『慰安婦問題 世界の眼日本の声』なんてのを出してますね。これも買わなきゃならないのかなぁ。 ところでアクティヴ・ミュージアム女たちの戦争と平和資…

元「慰安婦」の証言を否認しなかった警察

8月5日の『朝日新聞』の特集記事では次の論文が援用されていました。 藤永壮、「戦時期朝鮮における『慰安婦』動員の『流言』『造言』をめぐって」、松田利彦ほか編『地域社会から見る帝国日本と植民地 朝鮮・台湾・満洲』、思文閣出版、 2013年 執筆者で…

講演会行ってきました

事前の告知じゃなくてすみませんが、藤永壮・大阪産業大学教授の講演会に行ってきました。 http://ksyc.jp/seminar/ts-20141118/ 大変興味深いお話をうかがえましたので、近日中に少しご紹介させていただきます。

呑気にパーティーなんてやってる場合?

朝日新聞デジタル 2014年11月9日 「アジア女性基金の資料集を出版 記念会に村山元首相ら」 scopedog さんが既に取り上げられている記事ですが。 刊行された資料集は「デジタル記念館 慰安婦問題とアジア女性基金」(村山富市・和田春樹編、青灯社)。基金解…

「一種の徒弟修行」という詭弁について

davs さんの次のご指摘は、単なる「池田信夫批判」以上の射程を持っていますね。 池田氏は何の根拠も示さすに、 従軍慰安婦=年季奉公=一種の徒弟修行 という結論を滑り込ませている。池田氏は、従軍慰安婦になることで、将来の職業生活に役立つ何かが身に…

第7回アパ大賞は産経新聞批判(違……

http://apa.co.jp/ronbun/winner/index.html まあ日本軍「慰安婦」問題ネタが受賞するだろうとは誰もが予想したところでしょう。しかし「慰安婦問題とその根底にある報道の異常性」とは、口あんぐりというやつです。受賞作品とやらはこちら。

永井先生の論文をちゃっかり「お役に立て」ていた読売新聞

掲示板で一読者さんから荻上チキ氏のツイートをご教示いただきました。 window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id …

日本の右派は本当に「薮蛇」になる事態を想像できないのか?

右派メディアは「河野談話以降に明らかになった資料、証言の山」を徹底的に無視していますから、その読者・視聴者が「朝日が吉田証言記事を撤回した以上、クマラスワミ報告は風前の灯!」と勘違いするのは仕方ないのかもしれませんが、いくらなんでも右派政…

魂を自ら鎖で繋いだ人間には、鎖で繋がれていない程度のことが「自由」に思えるのだろう

写真は『日本経済新聞』朝刊の連載「熱風の日本史」14年4月6日掲載分です。当時の公娼制における「廃業の自由」がいかなるものであったかの一端を示すエピソードです。 さて、「慰安婦」の廃業を「許可制」にすることの意味がわからないような人々は、残念な…

これならバカバカしさがよくわかるだろうか?

現在、わが国が海外から批判されている「慰安婦強制連行」問題は、一九二五年十月に日本が加入した「醜業ヲ行ハシムル為ノ婦女子売買禁止ニ関スル国際条約」の条文どおり、存在しないのが当たり前です。 その第一条は、「他人の情欲を満足せしむる為醜行〔マ…

「慰安婦」問題否認論者に欠けているのは「自由意志」についての常識的な洞察

今年の5月、「NEWSポストセブン」の「慰安婦」問題否認論記事について私は次のようにコメントしました。 おそらくこれを書いたライター、および何の疑問も持たずにこれを掲載した編集者、何の疑問ももたずに読んだ読者たちは、人身売買の被害者を買春するこ…

Fight for Justice開設1周年&ブックレット出版記念シンポジウム

すでにご存知の方もおられると思いますが、"Fight For Justice" の開設1周年の記念シンポジウムが下記日程で行われます。また、サイトのコンテンツがブックレットとしても刊行されるとのことで、シンポ会場で先行販売されるとのことです。 http://fightforju…

「朝日の誤報」は右派が20年かけてつくりあげた作品

当ブログでは朝日の「検証」記事以前から指摘していたことですが、「吉田清治」という人物のニュースバリューは92年頃を境に急激に低下しています。右派メディアは朝日の「吉田証言」報道がまるでメディア史特筆すべき誤報であるかのように言い立てているわ…

「善き関与」論の亡霊

『朝日新聞』の「慰安婦」報道検証記事以来、紙媒体でもネットでもぐっと増えた歴史修正主義的言説を眺めていると、いまだに「善き関与」論(日本軍は確かに慰安所の運営に関わっていたが、それは悪質な業者を取り締まるための関与であった、という夢見がち…

「歴史戦」は続くよどこまでも

産経新聞の連載「歴史戦」ですが、4月に始まって8月の終わりからは第6部に(9月3日に完)。いやほんと、否定論産業はウハウハですな。歴史「戦」、情報「戦」などと打ち上げれば「嘘も武器のうち」ということになるのでしょう。07年の米下院決議を後押しした…

自分たちの歴史捏造はとっくにバレているのにそれに気づかない知的ゾンビども

「慰安婦問題の本質は強制連行の有無」とか「朝日の吉田証言撤回で河野談話は破綻」とか、はては「吉田証言はクマラスワミ報告書の依拠する唯一の一次資料」などといった捏造は、その捏造を受け入れたい欲望が存在しているこの社会だからこそ通用しているの…