戦犯裁判

実は「最後の戦犯」にあらず

12月7日に放映されたNHKのドラマ「最後の戦犯」。録画していたこともあって「ながら見」していたのだが基本的には史実に忠実に、という作りであったと見えた(脚本は主人公のモデルの手記に基づいている)。番組公式サイトには「予習コーナー」があって「軍…

東京裁判全記録、整理完了

NIKKEI NET 08年9月10日 「東京裁判、全記録明らかに 国立公文書館が整理完了」 日中戦争、太平洋戦争の政府、軍指導者を裁いた極東国際軍事裁判(東京裁判)判決から今年11月で60年を迎えるにあたり、国立公文書館(東京・千代田)は所蔵する裁判記録(和文…

ポル・ポト派の虐殺に関する総合学習施設、建設

9月10日の朝日新聞朝刊。ポル・ポト派による虐殺を調査・研究している「カンボジア資料センター」が虐殺についての学習施設をプノンペンにつくる、との報道。 (・・・) 政府関係者によると、和平合意に伴う93年総選挙で発足した政権以降、公立学校でポト派に…

「密約」文書、暴露?

YOMIURI ONLINE 2008年8月2日 訴追免除の密約を主張…カラジッチ被告 【ブリュッセル=尾関航也】旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷は1日、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦時のセルビア人勢力指導者ラドバン・カラジッチ被告が7月31日の初出廷の際に示唆した米…

カラジッチ元大統領逮捕

東京新聞2008年7月22日夕刊 「カラジッチ被告 逮捕 ボスニア紛争戦犯 イスラム教徒虐殺の罪」 【ベルリン=三浦耕喜】セルビアのタディッチ大統領は二十一日夜(日本時間二十二日未明)の声明で、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争時のセルビア人勢力の政治指導…

『東京裁判の教訓』

保阪正康、『東京裁判の教訓』、朝日新書 「序章」によれば「東京裁判がもっている三つの側面、つまり裁く側の論理、裁かれる側の責任、そして判決を下した側の史実判断を俯瞰しながら、あの裁判は今、私たちに何を教えてくれるかを考えてみた書」(「俯瞰」…

「捕虜とゴボウ」続報

ちょっといま現在アクチュアルな問題からは離れてしまうが、昨年取り上げて多くの方からコメントや情報提供をいただいた(特にid:bat99さんが日本軍による捕虜虐待と戦後の戦犯裁判についていくつもエントリを書いておられます)、旧日本軍の捕虜となった連…

“過去の亡霊をよみがえらせないために…”

今朝、テレビでABC(朝日放送)の「スーパーモーニング」を見ていたら、いきなり「時空ミステリー 日本陸軍の深い闇 731部隊の真実」なる特集が始まったのであわてて録画開始。まあ内容的にはこれといって新しいところはないのだが、休日にワイドショー枠で…

ポル・ポト派元幹部逮捕

asahi.com 2007年09月19日 ヌオン・チア元議長を拘束 ポル・ポト派特別法廷 70年代のカンボジアで国民の大虐殺に関与したポル・ポト政権の元幹部らを裁く特別法廷の係官らが19日、ヌオン・チア元人民代表議会議長(81)の身柄を同国西部パイリンの自宅…

「グアム強制売春」裁判続報

「グアム戦犯裁判において裁かれた性暴力の事例」というエントリで言及した強制売春の事例についてですが、同じ事例と思われる戦犯裁判の記録がすでに1995年の段階で報道されていたことを発見しました。11月30日付け朝日新聞朝刊です。 戦犯裁判の記録に慰安…

ダルフール紛争で逮捕状

asahi.com 2007年05月02日22時03分 ダルフール紛争で逮捕状 国際刑事裁判所 スーダン西部ダルフール地方の紛争で、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は2日、戦争犯罪と人道に反する罪の疑いで、スーダン人道問題担当相のアフマド・ハルーン容疑者…

起訴されなかった以上犯罪はなかった、という珍論

上の記事に対する反応をいくつか当たってみたわけだが、池田信夫氏は次のように述べている。 朝日の報道 (池田信夫) 2007-04-15 09:58:07 この記事だけではくわしい内容がわからないが、インドネシアについては、スマラン事件と同様の事件が他にもあり、各地…

『将軍はなぜ殺されたか』

D_Amonさんのこちらでのコメントより。 (…) 日本人だからこそ日本の戦争犯罪を追及するという立場はああいう人々には理解してもらえないのかなと思います。 過去の日本の戦争犯罪は日本文化特有の陥穽も示していたりすることもあり、事実を事実として認め…

ニュルンベルク・東京からバグダッドへの道

昨日大掃除をしていたら、5月10日付けの新聞が出てきた。ブログでとりあげようと思って捨てずにとっておいたものの、それっきりになっていたものである。「歴史と向き合う アントニオ・カッセーゼ氏(旧ユーゴ戦犯法廷元所長)に聞く 東京裁判の遺産は何です…

フセイン元大統領処刑さる

以前に書いたように、クルド人虐殺などについての審理は打ち切りとなってしまった。フセインを処刑したことで直ちに残余の事件の真相究明が不可能になるわけではないにせよ、フセイン本人の反論がないかたちでの調査が将来否定論を生むことにならねばよいが。

フセイン元大統領に死刑判決

本人はまだ「大統領だ」と主張しているが。 ヨーロッパ諸国が「死刑」判決にどう反応するかに注目していたのだが、やはり死刑反対論が出てきている。仮に死刑制度を妥当なものとして前提するならフセインが死刑に価する戦争犯罪・政治犯罪を犯したことに疑い…

東潮ライブラリィ、「史実記録」シリーズ

映画を観にいったついでに寄った古本屋での収穫。東潮社刊、坂邦康編著、東潮ライブラリィ「史実記録 戦争裁判○○法廷」シリーズの4冊を入手。昭和42年から43年にかけて刊行された新書サイズの本である。表紙はご覧の通り。 裏表紙には「ミゾリィ艦上の降伏文…

「もしも」のはなし

bat99さんの「bat99の日記」より。 横浜裁判に限らず、BC級戦犯裁判全体について色々と問題はあったことは事実だと思う。だが、裁判などせず日本人に直接復讐したいと思った人間は数多くいた。裁判という形式を取り無秩序な復讐を良しとしなかったことは評価…

ひとことで言えば…

http://alicia.zive.net/weblog/t-ohya/archives/000349.html要するに、「負けたやつは黙ってろ」というご説ですな。ところで、 なお富田メモ問題について、左翼の中で一番筋が通っていたと思う発言は、高橋哲哉先生の「憲法の問題なんだから天皇がどうでも…

横浜弁護士会BC級戦犯横浜裁判調査研究特別委員会、『法廷の星条旗 BC級戦犯横浜裁判の記録』、日本評論社

大変興味深く読んだ。BC級戦犯裁判についてはさまざまな先行研究があるが、法律家が法的な観点からみて興味深い事例を選び、残された訴訟資料を検討した結果である本書には独特の意味があると思われる。 第1章が横浜裁判が開廷するに至るまでの歴史的経緯、…

日本軍も「事後法」で戦犯を裁いていた?

日本軍はドゥーリットル隊による空襲を受けて、無差別爆撃を行なった爆撃機の搭乗員を処罰するための「空襲軍律」を制定した。『法廷の星条旗』では空襲軍律によりB29の搭乗員を処刑した事件についての戦犯裁判がとりあげられているが(後述)、問題は爆撃後…

「歴史解釈権」って?

このところ「歴史解釈権」という耳慣れないことばをなんども聞かされるので、「はて? 私が知らないだけで、確立した用語なのだろうか?」と思ってググってみたんですが、これがもうみごとに「大東亜戦争は正しかった」と言いたい人の用例しか見つからないん…

そもそも「BC級戦犯」って?

昨日取り上げた田中宏巳の『BC級戦犯』では「人道に反する罪」にふれる戦犯のうち「士官」がB級、下士官以下がC級とされた(ただしこの区別はあまり意味がなかった)と説明されていたのでびっくりした。極東国際軍事裁判所条例ほかがa項で平和に対する罪、b…

ところで…

個人的に戦犯裁判に関して大きな不公平だと感じるのは、死刑を執行された被告と終身禁固、ないし長期の禁固刑(あるいは懲役刑)を宣告された被告の間の違いですね。講和条約成立後、禁固刑を受けていた戦犯は徐々に釈放されていき、何十年も禁固刑を執行さ…

田中宏巳、『BC級戦犯』、ちくま新書

著者は本書執筆当時防衛大学校教授。外務省所蔵の関連資料が98年に公開され、特集を組んだ読売新聞のプロジェクトに参加したこと、およびオーストラリアの国立戦争記念館所蔵の資料を閲覧したことなどの成果である。 著者は自身の狙いを次のように語っている…

牛村圭、『「勝者の裁き」に向きあって―東京裁判をよみなおす』、ちくま新書

本書の主役、重光葵の著書『昭和の動乱』から本書は次の一節を引用している。 一旦終戦となると、忽ちにして政治家も実業家も、恰も日本は戦前平時の状態に復帰したもののように考え、終にいは、国際関係は旧に復し、通商すら直ちに自由に開けるものと軽信す…

靖国に文句言うのは中韓だけ、じゃなかったっけ?

コメント欄ですでに黒尼さん、Gl17さんからご紹介のあったニュースですが。 米下院委員長、「遊就館」の展示内容見直し求める 【ワシントン=五十嵐文】米下院国際関係委員会のヘンリー・ハイド委員長(共和党)は14日、日本と中韓両国など近隣諸国の関係…

小林よしのりは1年前にあらかじめ論破されていた

野良猫氏はだんまりを決め込みmyhoney0079氏にたしなめられているが、他方まだがんばっているのがkikori2660氏。自身のエントリのみならずここのコメント欄でも未練たっぷり*1。だが小林の「当事者を拘束するのは「主文」だけである。「判決理由」には既判力…

「ゴボウを食べさせた」「お灸を据えた」戦犯問題

本館の掲示板でmachida77さんから次のような情報を提供していただきました。 戦時中に捕虜にゴボウを食べさせた話の件で、ちょっと関連した話題をみつけました。 内海愛子『日本軍の捕虜政策』(青木書店)の記述(p164)で 「イギリス人将校は、ゴボウのこ…

老若男女ヲ問ワス徹底的ニ掃蕩ス

すでに一部を紹介した秦郁彦、『昭和史の謎を追う』(上下、文春文庫)から、いくつか紹介。 まずは第17章「マレーシア虐殺報道の奇々怪々」。章題からは虐殺の存在に懐疑的であるかのような印象を受けるが、実際にはそのようなことはない(犠牲者数について…