戦犯裁判

老若男女ヲ問ワス徹底的ニ掃蕩ス

すでに一部を紹介した秦郁彦、『昭和史の謎を追う』(上下、文春文庫)から、いくつか紹介。 まずは第17章「マレーシア虐殺報道の奇々怪々」。章題からは虐殺の存在に懐疑的であるかのような印象を受けるが、実際にはそのようなことはない(犠牲者数について…

のど元過ぎれば…再び

あと、こちらでもまだ続いてます。ちなみにこの「潜水艦」氏も私がA級戦犯分祀を主張していると思い込んでいる。もちろん私はA級戦犯分祀なんて主張したことないわけで。というか、そもそも分祀を主張している左派ってそんなにいますか? むしろ保守穏健派で…

う〜ん、こりゃ「不可」ですねぇ。

寝ているあいだにkikori2660氏とmyhoney0079氏の間でラリーがあった…というよりkikori2660氏のサーヴがネットに引っかかった、って感じですかね。鬼首モードではしゃいでたkikori2660氏ですが、まったく的外れですから。 ちょっと画像は小さいんですが。すい…

自分の想像力のなさを他人に投影するひとについて(追記あり)

いま現在11日だけど、一日の最初のエントリにするにはつまらなすぎるネタなので10日分に追記。 私が「中国様の言う事を聞いてA級戦犯は分祀しろよコノヤロー」と主張した、A級戦犯分祀運動をやっている…とする根拠をkikori2660氏が説明してくれるはずだった…

カニは自分の殻にあわせて穴を掘ると申しますが…

「異能生存体きこりの日記」からトラックバックが。kikori2660氏によれば私の(そしてswan_slab氏、野良猫氏の)主張というのはこういうものなんだそうだ。 要は「小林のデタラメに釣られたネットウヨ氏ね。中国様の言う事を聞いてA級戦犯は分祀しろよコノヤロー…

東京裁判で日本が得たもの

東京裁判の不当性を言い立てる人びとのなかには「事後法だから」「勝者の裁きだから」「歴史上前例がない」*1と言えばことは片付くと思っていたり、具体的な根拠も挙げずに審理プロセスが不公正だと断言して終わりにしているケースが少なくないのだが、そう…

コメントより

# bat99 『 自分のブログの方でも書いたのですが、実際に日本で東京裁判のおかげで得をした勢力というのはあると思うのですよ。さらに言えばその勢力の流れを汲んでいるのが今の政治の中枢に陣取っている人間ではないかと。 そのことを考えると現在の与党連…

戦犯裁判が裁いたのは日本人の人権感覚・法感覚である

以前にも「東京裁判史観」が「B級戦犯の裁判には不当なものが多かった」という認識を含んでいる、と指摘した。こうした認識は裁判直後から(あるいはその進行中にすでに)広がっていたものである。例えば、昨日のエントリで引用した杉山昌作氏の質問にある次…

安倍晋三官房長官のサンフランシスコ講和条約第11条に関する答弁

平成18年02月14日、衆院予算委員会 ○岡田委員 (前略) それでは次に、東京裁判についてどういうふうにお考えなのか、今度は外務大臣にお願いします。 ○麻生国務大臣 東京裁判に関してのいわゆる外相の見解やいかにということなんだと思いますが、少なくとも…

箸にも棒にもかからぬ愚論、「受諾したのは判決だけ」

あちこちでコピペされているのが「小林よしのり氏が「ゴー宣・暫」の中でネット保守との共闘を求める」というネタ。それが本当かどうかなんてどうでもいいのだが、ともかくそのネタによれば「今後、講和条約第11条の件でデマを流している知識人がいたらた…

石毛事件続報、その他

bat99さんが紹介しておられた『法廷の星条旗』、購入しました。まだ石毛事件のところを中心にぱらぱらとつまみ食いしただけですが、歴史学者ではなく法律家によるこのような試みは大変貴重だと思いますから、いずれ通読して改めてとりあげたいと思います。「…

石毛事件

「捕虜にごぼうを食べさせて有罪となった戦犯はいる?」問題についてのエントリへのコメント欄で、黒的九月さんが紹介されていた「お灸をすえたら虐待だと訴えられた」というエピソードについて、id:bat99さんが『法廷の星条旗―BC級戦犯横浜裁判の記録』で調…

「ゴボウ」の件、続々報

『私は貝になりたい』を立ち読みしてきました。いや、いずれちゃんと調べるつもりではあるのだけれど、別件で書店によったついでに。とりあえず「遺書」を含む「狂える戦犯死刑囚」の部分にはその記述はなかったような。前後関係から考えると52年の参議院法…

ゴボウの件、続報

「ゴボウを食べさせて戦犯となった」というはなしについて、両親に電話して情報源を問うてみたところ、かの『私は貝になりたい』であることが判明。このエピソードが広く知られていながら具体的な情報に欠けている理由が分かったような気がする。ネット上の…

「ごぼうを捕虜に食べさせて有罪になったB級戦犯」は都市伝説?

「ごぼう 戦犯」でググるとたくさん出てくるのが、「連合軍の捕虜にごぼうを食べさせたところ、木の根を食べさせた虐待だとして戦犯として訴追され、有罪になったケースがある」というはなしである。実はこのはなしは、子どもの頃に母親から聞かされたことが…

田中隆吉、『敗因を衝く 軍閥専横の実相』、中公文庫

前掲『東京裁判への道』の主役の一人、元第一軍参謀長、陸軍兵務局長たる田中隆吉少将による「真相暴露」もの。オリジナルは46年に出版されたが、「序」の日付は45年9月24日(!)となっており、また45年12月18日の『東京新聞』に「開戦前後の真相―敗北の序…

粟屋憲太郎、『東京裁判への道』(上・下)、講談社選書メチエ

1983年のシンポジウム「『東京裁判』国際シンポジウム」に参加して以来米国などで東京裁判関連資料の発掘にあたってきた著者が、1984年から『朝日ジャーナル』(!)に「東京裁判への道」というタイトルで連載していた原稿をもとに、その後発掘された新資料…

その他

保阪正康 vs 半藤一利、「対米戦争 破滅の選択はどこで」 「どこで」に関する半藤一利の意見は「ネタばれ」になるので触れない。まあ一つの考え方でしょう、とは思う。昭和天皇を免責しよう、という意図で二人は一致。 保阪正康 vs 伊藤桂一、「一兵士が見た…

書こうかどうか、書くとしてどう書くか迷ったのだが…

「木走日記」の「日本国民に告ぐ。日本男児の血の叫びを聞け。〜「百人斬り競争」野田元少尉の手記」。迷った、というのは第一に煙さんとswan_slabさんが的確なエントリを書いておられるからであり、第二に「百人斬り」の両少尉をこれ以上話題にすることに意…

『戦史叢書』と映画『東京裁判』における南京事件

防衛庁防衛研修所戦史室の編纂になる『戦史叢書』の一巻、『支那事変 陸軍作戦 昭和十三年一月まで』(朝雲新聞社)を古書店で入手した。この手の本は借りるものにして買うものにあらず…というのが相場である。なんせ全部で102巻だから。しかし函無しのもの…

「百人斬り」で新資料(証言)

「思いて学ばざれば」さん経由で、「思考錯誤」掲示板でのレポートを拝見。さすがに秦郁彦氏は、ある種の人びととの間に明確な一線を引くだけのプライドのある人ですね。なぜいまごろ(正確には昨年ですが)という感じもしないでもないですが、好意的に解釈…

戦争犯罪についての開き直り/シニシズム

タイトルは、私の「「戦争だからそういうこともある」という論法について」というエントリをとりあげてくださった opemu さんの「「戦争だからしかたない」論について」というエントリへの、はてなブックマークにおける shin-ohara さんおよび SHIKAIKILYOU …

米公文書公開、「百人斬り」訴訟高裁判決、そして「ネタのシニシズム」再び

「ジャップは裏切り者」 72年にキッシンジャー氏 「百人斬り競争」訴訟、二審も本社などが勝訴いやまあ政治家たるもの、ことばには気をつけないと後になって恥をかきますな。キッシンジャーが日中国交回復に激怒してた、という公文書が公開されてロッキー…

本気で勝つ気があるとは思えない裁判を起こす人びとについて

いわゆる「百人斬り競争」訴訟が高裁でも原告敗訴に終わったわけだが、控訴審は一回の口頭弁論だけで、原告側の証人申請をすべて斥けてあっさり結審。いかにもともと勝ち目のない訴訟であったかを示唆しているといえよう。どうせ南京事件否定論者は「裁判官…

「遺族の心情」について

「+ C amp 4 +」の4月16日付けエントリ、「論争相手のコメントを全部削除するひとについて」について。「コメント欄からあたかも最初からいなかったかのように論争相手を消して自分だけ堂々と生き残る、みたいなやり方」に比べればブログごと消去という「…

性懲りもなく捏造する人

コメント欄でのやりとりをこのエントリで紹介し、その後コメントの一部が選択的に削除されたことをこのエントリでお伝えした、「Dr.マッコイの非論理的な世界」の「百人斬りというウソ」が、今度は閲覧不可になってしまった(残っているコメントは閲覧可能)…

歴史を「捏造」しているのはどちらか?

先日「『WiLL』5月号と「百人斬り」と山本七平」というエントリで紹介した、「Dr.マッコイの非論理的な世界」での「百人斬り」をめぐるやりとりが改竄(というか削除)されていることが判明した。幸い、jimusiosaka さんが関連する部分のデータを保全してお…

『WiLL』5月号と「百人斬り」と山本七平

『ムー』みたいなものだと思えばハラも立たない自称「オトナの常識」*1月刊『WiLL』の5月号に南京事件(というより「百人斬り」訴訟)関連の手記が二つ。“「百人斬り」裁判で日本の司法は滅びた”の著者稲田朋美は衆議院議員(自民)にして「百人斬り」訴訟の…