ETV特集 「戦場からの報告〜レバノン・パレスチナ〜」

NHK教育で午後10時から放送です。


放送、始まりました。レバノンを舞台とするイスラエルヒズボラの戦いを取材した3人の日本人ジャーナリストが撮影したビデオが素材です(スタジオにも綿井健陽土井敏邦、古居みずえ、のその3人プラス政治学者の臼杵陽が登場)。


綿井取材
イスラエル軍空爆を予告するビラに「今後、移動する車両はすべて攻撃の対象とする」という主旨のメッセージを書いていたことが紹介されている(実際、赤十字の救急車も攻撃されたとのこと)。頭が完全に吹き飛ばされた遺体まで放映するという、NHKらしからぬ踏み込み方。
死後一週間以上放置されていた遺体を48時間の空爆停止期間中に埋葬する作業の様子。誰もが鼻を覆っている。瓦礫の山と化した国境近くの町。ベイルートではジェット機による爆撃が中心だったが、レバノン南部では戦闘ヘリと無人攻撃機による「狙撃」的な攻撃が中心だったとのこと。空から攻撃するイスラエルと、所在を秘匿するヒズボラとの戦いは、現地の非戦闘員にとって「誰と誰が戦っているのか見えない」戦争、と。


土井取材
イスラエル側の取材では、停戦決定や作戦指導に不満を持つ兵士や市民が多いことが紹介される(90%超が攻撃を支持)。ヒズボラによるロケット砲攻撃は、イスラエルにとって建国以来最大の被害だったとのこと。CNNやBBCが報道するレバノン側の被害は「偏向報道」だとする意識が強かった、との紹介。どこでもいっしょですな。その一方、「ナチスの検問を通るユダヤ人」と「イスラエルの検問を通るパレスチナ人」の類似性を指摘するイスラエル人(だがあくまで少数派の中の少数派、と)。


古居取材
攻撃されるのがわかっていても避難できない老人や障害者たち。あるいは家財や家畜を守るために残って被害にあった人びと。両親と3人の兄弟を失った14才の少女への取材は「憎悪の連鎖」の典型を示す。
レバノン南部にはクラスター爆弾の子爆弾の不発弾が100万発、と。12才の少女の体内に残るクラスター爆弾の破片。レバノン南部でのヒズボラへの草の根の支持。


その他
ハマス政権誕生後の援助停止により破綻するガザ地区市民の生活。いまなお、ガザ地区は事実上イスラエルの占領下にある、とのこと。