前日の提案への補足

コメント欄、トラックバック、はてぶコメント等でさっそくにご賛同の意思を表明してくださった方々にお礼申し上げます。具体的に詰めておくべき点について整理しておこうと思います。

1) 声明文公表の手段
どこか一カ所に声明文を公表するか、それとも趣旨に賛同する人間がそれぞれ同一の内容を自分のブログ、Webサイトに掲載するかたちをとるか。前者の場合、ほかによりよいご提案があれば別ですが、私が.Macのサービスで確保しているスペースを提供致します。もちろん、趣旨に賛同してくださる方がそれをご自身のブログ等で転載していただくのは歓迎致します。後者の場合もアナウンスの関係上どこかに英文の「まとめサイト」的なものを設置する必要がありますから、結局は大元となる声明の置き所をどこに置くかの問題、ということになります。新規にどこかでアカウントを作成してもよいのですが、他の用途が特にないのであれば既にあるリソースを利用するのがよいかと思います。逆に、この際、普段日本語で活動しているネットワーカーが英文で共同声明を発表する場をつくってしまおう、ということであれば新規に場所をつくってしまうのも面白いと思います(もちろん、共同声明への参加・不参加はトピックごとに選択できるかたちで)。

2) 参加形態
昨日のエントリで

主たるコンテンツとして南京事件を扱っているネットワーカーを声明の主体としてリストアップし、自身のブログやウェッブサイトで南京事件を扱っているわけではないが趣旨に賛同していただけるネットワーカーを「賛同者」としてリストアップする、といったことを考えています

と書いたのは、この問題に関してもの言おうとする人間の間で「格付け」を行なおうという趣旨ではもちろんなく、次のような非常にプラクティカルな理由によります。まず共同声明の公表をきっかけとして参加者のサイト、ブログを訪問してくださる方が(数の多少はともかく)あるかもしれない。その場合、南京事件を題材として積極的にとりあげているところとそうでないところを分けておいた方が親切であろう、ということ。第二に、ひょっとすると南京事件否定論者から「情報戦」を仕掛けてくることがあるかもしれませんので、その手の火の粉は南京事件論争に積極的にコミットする人間がなるべく被ってしまえるように、との趣旨です。線引きを「南京事件を積極的に扱っているかどうか」ではなく「戦争犯罪(ないしアジア・太平洋戦争)をトピックとして積極的に扱っているかどうか」にするのも一案かと思います。
問題になるのは、掲示板等でのコメント投稿を中心に活動しておられるネットワーカーの扱いです。「数を水増ししている」との非難を避けるためには特定のURLに結びつけうるハンドル(ないし本名)をリストアップする方が安全ではあるのですが、ブログやWebサイトの運営だけがネットワーカーとしての活動のあり方というわけでもありませんし。現時点では、自身のブログ、Webサイトをもたないコテハンの方が一種の署名(ハンドルおよび主たる投稿先を内容とする)を行なえるような場を併設することを考えています。

3) 声明文の内容
言い出しっぺとして、みなさまからのご意見をいただきつつ第一案をまとめる作業は(特にどなたかからご提案がない限り)私がさせていただくつもりでおります。その骨子は(昨日のエントリとも重複しますが)次の通り。

  • 南京事件が「歴史的事実」であることを信じる(声明への参加者・賛同者があらゆる点で見解を共にすることは意味しないが、当時南京およびその近郊で "Nanking Atrocity" 等と呼ばれてしかるべきことは発生したと信じる、ないし南京事件否定論に与しないという点において一致する)。
  • 映画 Nanking それ自体については未見であるが故に評価は保留するが、この映画を「反日」的と(しばしば誤った情報に基づき、またしばしばレイシズム的発想に基づいて)決めつけるネガティブ・キャンペーンに抗議する。過去の戦争犯罪への関心を喚起し議論が深まるきっかけとして映画 Nanking の日本公開を歓迎する。(映画の日本公開を歓迎する、という点については賛同できないという方がおられれば撤回してもよいかもしれません。その場合、そのような映画を制作する自由を擁護する、といった趣旨にすればよいかと。)
  • 歴史学プロパーの研究者の間では「南京事件は歴史的事実である」がコンセンサスであり、否定論に与する日本市民は決して多数派ではないことを表明する。また、否定論に対抗する試みに(各人の事情が許す限りで)コミットする。

追加すべき点、ないし差し控えるべき点についてご意見があればコメント欄にてご指摘願います。