「遠い島〜硫黄島・その33年」、30年ぶりの再放送(追記あり)

2月24日の朝日新聞夕刊より。

 太平洋戦争末期の激戦、硫黄島の戦いから約33年後の77年11月に放送され、日米双方の元兵士や遺族らの証言を集めた朝日放送(ABC)のドキュメンタリー番組「遠い島〜硫黄島・その33年」が25日の深夜枠で30年ぶりに同局で再放送される。(後略)

父親たちの星条旗』で題材となったアイラ・ヘイズ元一等兵も紹介されているとのこと。この30年間で戦争についての語り方がどう変化してきたか、という観点からも興味深い。放送は26日午前1時10分〜2時28分。


追記:日曜日の深夜枠というのはちょっとつらいが(ビデオをまだ直していない…)、仮眠をとって夜中に起きだして観た。上述したアイラ・ヘイズ元一等兵の父親に取材しているのだが、このころは元将兵の親がまだ存命であったというところに、初回放送時からの30年という歳月を感じる。いまは元将兵の子どもの世代が、当時の元将兵の親世代の年齢に近づいているわけだ。『父親たちの星条旗』には、昔の西部劇でお馴染の“酒場から叩き出されるインディアン”というシーンが登場したが、父親の談によれば“インディアンに酒を売ってはならないという禁令を破ってみんなが酒をおごろうとした、息子はそうした特別扱いを嫌がり、酒で身を滅ぼすことを予感していた”とのこと。例の写真が「二度目」の星条旗であったという問題にはまったく触れられていない。
日本側の取材で最も印象に残ったのは、亡くなった兵士の遺族を訪ね歩く生き残りの元兵士。ある遺族から拒絶される場面が撮影されている。死亡率が非常に高いがゆえに、生存者にせよ生存者を見る遺族にせよその心中は察するに余りある。アップで映された義手をみていると、子どものころにはまだ縁日に“傷痍軍人”がいたことを思い出した。