封印作品の謎…

っていうならこういうのも扱って欲しいもの。
NHK BS1 4月30日午後11時10分〜 「BSドキュメンタリー「証言でつづる現代史」― 封印された映画 ―」(再)


1973年、インドネシアで制作された映画 Romusya に「反日的」な表現があるとして在イ日本大使館が介入、インドネシア政府が出所不明の金で映画を買い取り上映を差し止めた…という顛末を扱ったドキュメンタリーの再放送。後半だけしか見ることができなかったが。
日本国憲法が禁じている、それゆえ日本政府がコミットしているはずの価値からすれば否定されるべき検閲制度を通じて「反日的」表現を封じようとしたものの、その結果がどうだったかと言えば、翌年の田中角栄インドネシア訪問時の反日暴動だった。映画を封じたところで人々の記憶を封じることなどできるはずもなく、また草の根レベルでの記憶の継承を封じることもできない。80年代に入るまでアジアにおける戦争被害があまり語られなかった背景の一つとして、経済力にものをいわせたこの種の圧力があったということははっきりと認識されねばなるまい。