イラク駐留米軍兵士にモラル低下の傾向

Yomiuri Online 2007年5月5日21時37分

イラク米兵に深刻なモラル低下、戦争泥沼化でストレス?


【ワシントン=大塚隆一】米国防総省が4日発表したイラク駐留米兵の「戦場における倫理」の調査で、モラルや規律の低下が深刻な問題になっていることがわかった。


 背景には泥沼化した戦場でのストレスの高まりがあるとみられる。


 調査は昨年8月と10月、前線の陸軍兵士1320人、海兵隊員447人を対象に行われた。


 それによると、「非戦闘員を侮辱、罵倒(ばとう)したことがある」のは陸軍兵士の30%、海兵隊員の28%に達した。一方、「仲間の兵士が非戦闘員を殺傷した場合、軍に報告する」と答えたのは陸軍兵士の40%、海兵隊員の55%にとどまった。また、拷問について、陸軍兵士の39%、海兵隊員の36%が「武装勢力の情報を得るためなら許されるべきだ」と回答した


 同時に行われた精神衛生の調査では、駐留期間が長く、派遣回数が多いほど、問題を抱える兵士が多いこともわかった。陸軍部隊は駐留期間を1年から1年3か月に延ばす方針で、兵士のモラル維持やストレス軽減は大きな課題になる。

「仲間の兵士が非戦闘員を殺傷した場合、軍に報告する」と回答した兵士が半数前後にのぼっているが、そうした事態が発生した場合に実際に報告できるかどうか、となるとまた別のはなしだ。また「駐留期間を1年から1年3か月に延ばす方針で、兵士のモラル維持やストレス軽減は大きな課題になる」とあるが、旧日本軍の場合1年3ヶ月どころか、もっと長い間戦場に居続けた兵士がいっぱいいたわけで、戦争が「泥沼」だったのも同じ。日本民族がスーパーマンの集団でもない限り、軍紀が弛緩するのが当たり前なのである。