戸井田議員の上を行く防衛省防衛研究所

昨年、日本の前途と歴史教育を考える会、南京問題小委員会のメンバーであらせられる戸井田とおる議員は、図書館収蔵資料へのチェックを国が行なうことを国会において提言したわけだが、戸井田議員に言われるまでもなくそれを実行しているところがあった、と。

防衛省防衛研究所(東京都目黒区)が、第二次大戦時の沖縄・集団自決に関する資料に「集団自決は戦隊長命令でなかったことが証明されている」とする見解を付けていたことが分かった。資料は図書館で一般公開されており、専門家は「自決命令については事実が確定しておらず、読む者に予断を与える」と強く反発。同研究所は「不適切だった。削除したい」としているが、国の機関が一方的な見解を示していたことは、波紋を広げそうだ。
毎日新聞、08年1月13日、「沖縄集団自決:防衛研が「命令なし」の見解 公開資料に」

これについては秦郁彦センセもかばい切れなかったようで。

▽現代史家の秦郁彦さん(日本近現代史)の話 「戦隊長が命令を出していない」という内容は正しいと思うが、一般公開する資料に添付するには表現が強く、防衛研は慎重さに欠ける。また、記述者の名前も書くべきだった。削除されれば問題はないと思う。

ま、「弱い」表現で署名があれば問題なかったかのようなものいいが気になりますが。
添付された「見解」には「『日本軍側の旧悪を暴く』という風潮の中で事実とは全く異なるものが、あたかも真実であるがごとく書かれたものである」とあったとのことですが、誰がいつ書いたのかもわからない「見解」が「防衛研究所戦史部」名義で添付されるようでは、「日本軍側の旧悪を隠蔽・矮小化する」風潮がある、と言われても文句は言えんでしょうな。