出た!

出ましたね。妖怪「どっちもどっち」(命名zarudoraさん)が。そう、ここのことです。

(なお「ポルポト」の語をここで持ち出した山形氏のふるまいは、「トリアージ」の語を持ち出したり、あるいは「トリアージ」の語の濫用をいさめるために「ホロコースト」の語を持ち出すのと同じ程度には下品で、ほめられた行いではない、と思います。しかしながら個人的に申し上げますと、スターリニズムポルポトの所業をわが痛みとして感じることのない「左翼」をぼくはいっさい信用しません。ぼくはもはや自分を左翼とは思っていませんが、今でもなお「あの状況にいればおれも虐殺者の側だったかもしれない」と考えて身震いします。レッテル貼りに反発するのはわからなくもないですが、常に背後に「スターリン」「ポルポト」の亡霊を抱いている覚悟は必要でしょう。)

HALタンの「ウッカリ」とか「軽率」につづいて「下品」ですか。しかし「レッテル貼りに反発するのはわからなくもない」って、いったい誰の心境をわかっていただいてるんですかね? 一連のやりとりのなかで「ポル・ポト呼ばわり」を「レッテル貼り」だとして反発した人間って、いますか? 今回「ポル・ポト呼ばわり」を論点にしまたもっとも頻繁に言及したのは私ですが、「Apemanさんは安易にポルポトを持ち出す者に手厳しい態度を取っておられるようですが」などという言いがかりをつけられたのではっきりと否定しておいたはずです。

え〜? 私がいつ「分からない」とか「接点が見つからない」とか「声高に連呼してる」とか「恐ろしい」とか「見世物を楽しんでる」とか「許せない」とか、自分の見解として言いました? 少なくとも私は「分からない」し「理解する気もない」議論に対して「声高に連呼してる」とか「恐ろしい」とか「見世物を楽しんでる」とか「許せない」などと Disりまくるような恥ずかしい振る舞いはしてませんが?
(http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20080819/p2)

今回なにごとかを「レッテル貼り」だとして「反発」した人間がいるとしたら、その筆頭は「ヒトラー呼ばわりかよ」といって実質的な反論を放棄した福耳先生であり、ついで「理解できない」し「理解するつもりもない」のに「ホロコースト」に言及する者は「恐ろしい」「見世物を楽しんでる」とDisりまくったHALタンです。私が「ポル・ポト呼ばわり」に言及したのはほとんどの場合HALタンのダブスタを指摘するためです(唯一の例外といっていいのは、渡部昇一の論法を「機能派」による「意図派」批判と結びつけて論評した箇所でしょう)。なぜか? 改めて言われるまでもなく、左派を自認する者にとってクメール・ルージュが引き起こしたことは忘れてはならない出来事だ、という認識は持っているからです。もちろん、それが「口先」だけのことではないかどうかを問題にすることはできますが、そうするのであれば私の書いたものに即して具体的にやってもらわねばならない。左派を自認する者が、「スターリニズムポルポトの所業をわが痛みとして感じることのない「左翼」をぼくはいっさい信用しません」と主張しつつ「どっちもどっち」と言うのであればそれは誠実な振る舞い足りえますが、もはや「自分を左翼とは思っていません」のでしょう? だったらなぜ、むしろ“「資源の最適な配分」を説く時に「ホロコースト」を我が痛みとして感じない者ぼくはいっさい信用しません”とは言わなかったのか*1。HALタンに、そして彼を通じて福耳先生に向けて語ってきたことは、畢竟これに尽きるんですが。妖怪「どっちもどっち」がその実「どっちもどっち」ではない、というのは別に珍しくもないはなしですがね。


追記:もうやらない、とか泣きごとを言ってた人間がなんか言ってますが、いちごびびえすの阿呆につづいて今度は風呂無駄先生でもブレーンにしたのかしら(笑) 「攻撃」? 冗談言っちゃいけない。言いがかりはお断りだ、って書いただけですよ。

*1:ピノチェトでもいいですが。アメリカがポル・ポト派に対してどういう態度をとったか・・・はここでは問題にしませんが。