教科書検定制度パブコメ募集中

教科用図書検定規則の一部を改正する省令案等に対する意見公募手続(パブリック・コメント)の実施について


「教科用図書検定規則の一部を改正する省令案等について(概要)」

査審議会)における提言内容を踏まえ、以下のとおり、教科用図書検定規則(平成
元年文部省令第20号)の一部を改正する。
(1)検定における審査過程の一層の公開関係
教科書調査官が作成する調査意見書(検定意見書の原案)等の資料について、
検定審査終了後に公開する取扱いとする旨を、新たに規定する。
(後略)

…と、結構なことが書いてあるわけですが…。昨年12月25日に提出された教科用図書検定調査審議会の報告「教科書の改善について」によれば、「審議における個々の意見のやりとりを発言者の氏名も含めて作成し、公表することや会議自体を公開すること」は「外部からの圧力がなく静ひつな環境の下、委員が自らの識見に基づき、専門的・学術的に審議するとともに、委員が自由闊達に議論する」ことを妨げるとして、「行わないことが適当」とされています。「審議会の各委員が、どの部会や小委員会に属しているのかを示す委員分属を公表すること」についても同様です。また「静ひつな環境の確保」のためとして「審査過程における申請図書等の適切な情報管理」が強調されるなど、審査の「概要」を「事後」に公開するという譲歩と引き換えに審議過程の密室化を一層推し進めようとしている疑いがあります。そもそも沖縄戦「集団自決」の記述に関する教科書検定において問題となったことの一つは、教科書調査官という「内部」関係者が大江・岩波訴訟という「外部」の事情を恣意的に引き合いに出すことで教科書の記述を改めさせたことであったはずです。


パブリック・コメント募集の締め切りは1月24日、とのことです。