パル(パール)判事の選任過程に関する公文書、発見

9月5日(土)の朝日新聞(大阪本社)夕刊に「パル判事 誤って選任」と題する記事が掲載されている。

 第2次世界大戦後、連合国が日本の戦争指導者を裁いた東京裁判極東国際軍事裁判)の判事団で唯一、東條英機ら25人の全被告を無罪としたラダビノド・パル=写真=が、インド国内の間違った手続きで代表判事に選ばれていたことがわかった。開廷直前に植民地政府の高官が誤りを認めて謝罪し、選任担当者は左遷されていた。インド国立公文書館の文書に記録されていた。
(後略)

以上のようなリード文に続いて、「パルを東京裁判判事に任命する件」と題する文書に「パルは高裁裁判官でも元裁判官でもなく、他の弁護士と大差のない人間だ」という記述があり、パルを任命した戦争省には代表判事の選任権限はないと指摘されていたこと、裁判中に独立したインド政府がパルが「正式な政府代表」ではないことを確認し「意見書とは無関係との立場をとった」などとされている。


さて、パル(パール)意見書をやたらと持ち上げる方々はいったいどういう態度をとるのだろうか。「そら見ろ、東京裁判の手続きはデタラメだ!」か。だとするとパル意見書の法的な意味も否定することになる。「大切なのは手続きじゃない、意見書の内容だ」か。だとすれば東京裁判の手続き上の瑕疵も大した問題じゃない、ということになりかねない。