「歴史から消された兵士たち〜中国“抗日老兵“の歳月〜」

昨日、番組がはじまるちょっと前に放映予定に気がついてあわてて録画したものです。

太平洋戦争末期、連合軍の中国部隊・蒋介石率いる国民党軍がビルマでの戦いで日本軍を破った。その後、国共内戦を経て中華人民共和国が成立すると、抗日戦争は八路軍の功績とされ、国民党軍の存在は歴史から抹消された。近年、改革開放後に育った若い世代を中心に、自らの国の歴史を見つめる機運が高まり、忘れられていた“抗日老兵”が注目されている。若者たちと老兵との対話を通じて、知られざる中国現代史の一面を掘り起こす。

近年、中国における抗日戦争史が国民党軍の役割をきちんと記述するようになってきた、というはなしは本で読んではいたのだが、この番組で紹介されているのがまさにそうした変化だ。なにはともあれ、国家によって抑圧されていた戦争体験、戦争の記憶が自由に語られるようになったことは喜ばしい。もちろん、「老兵」たちの語り口を含めガチガチの「国民の歴史」の枠組みを越えるものではないし、中国政府がどのような思惑でこうした変化を容認ないし推奨しているのか、注意する必要はあるだろうが。