超拡散をご希望なので、応えましょう

「水間条項の妄言ウオッチ」さん経由で。

水間政憲氏といえば、私は旧軍が中国各地に遺棄した毒ガスについてヨタ記事を書いた人として記憶しているのですが、実は「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」、南京問題小委員会の「南京問題小委員会の調査検証の総括」をベースとした否定論本、『南京の実相 国際連盟は「南京2万人虐殺」すら認めなかった』の編者でもあります。
で、その水間氏が「「南京虐殺」を否定的に捉えてて、ご自身も「南京問題」の真相を知りたくて書籍の選択を探しあぐねていらっしゃる皆様の為に、選択するための指針を提示」すると称して本の宣伝をしているのが上記エントリ。この本の主張が荒唐無稽であることについてはかつてエントリを書きました。またゆうさんが「「南京の実相」を読む」と題し、3回にわたって丁寧な批判を加えておられます。
http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/jissou1.html
http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/jissou2.html
http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/jissou3.html
というわけで、ここでは別の突っ込みどころ。まずは水間氏の「資料」についての独自すぎる見解について。彼は「基本」が3点あるというのですが、その3つ目はなんと「ロンドンタイムズ、ニューヨークタイムズ朝日新聞などのクオリティペーパーに、「南京虐殺」は報道されていないこと」なんだそうです! こういう時は朝日新聞を「クオリティペーパー」と持ち上げるんですね。検閲って知ってるのかな? ちなみに、ニューヨーク・タイムズはちゃんと南京事件を報じています。
それよりも興味深いのは、自分が関わった『南京の実相』と田中正明を持ち上げるために、否定論の論法の一部を Dis っている点です。

★私信にいくら虐殺が記載されて無いから「南京虐殺」はなかったなどは、偶々その個人が「観てなかった」と反論されるのがオチです。

「参戦勇士九人が語る「南京事件」の真実」なんて DVD がありますけど、これについても「偶々その個人が「観てなかった」と反論されるのがオチ」ということでいいですよね?

★また、誰それが勲章もらっていたから怪しいだけじゃ、なんら説得力がない。「南京虐殺の捏造証言をした功績に叙賜した」との記録でもあったのかと、突っ込まれて終わり。

ベイツ、ティンパリーら南京での日本軍の行状を世界に伝えた欧米人が国民党の手先だった、という論法は最近の流行ですが、それについてもばっさりです。

このような状況で、中国が外国人を前に300回記者会見しても「南京虐殺に触れなかったから虐殺はなかった」など言い募る者がいるが、まったく無意味なことなのです。記者会見より国際的に公式な場所で、相手にされなかった「ヨタ話」を繰り返し言い募るほど中国人もバカでなかったってことなだけです。

胡錦濤主席に五項目の質問状を民間人が出しても回答がなかったから、「なかったから応えられなかった」など、トンチンカンなことを言い募るものがいるが、小学生レベルの夢物語です。

厳しい言葉が続きますね。極めつけはこれ。

すでにインターネットユーザーの皆様方には、常識的なことでも重箱の隅を突っついている研究者は、知らないか敢えて無視しているのか知りませんが、このような人物には、「南京問題」を語る資格はないのである。

今後、上記のような論点を持ち出してくる人がいたら、水間氏の批判を教えてあげることにします。