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もう3年前の本ですが、『解明・昭和史 東京裁判までの道』(筒井清忠編、朝日選書)を読む機会がありました。

第1回普通選挙―二大政党による大衆政治の幕開け(奈良岡聰智)
張作霖爆殺事件―軍人の政治化の原点(戸部良一
ロンドン軍縮条約―国際協調と二大政党政治下の海軍(村井良太)
満州事変―「実態」と「解釈」を整理する(小池聖一)
血盟団事件 五・一五事件―裁判記録から読み解く(北博昭)
天皇機関説事件―宗教と政治による学問抑圧(長尾龍一
二・二六事件―挫折した「国家改造」クーデター(筒井清忠
盧溝橋事件と日中戦争の展開―いかにして世界戦争の一部となるに至ったか(川島真)
ノモンハン事件―日ソ関係の転換(横手慎二)
日独伊三国同盟―破滅を招いた選択と誤算(服部聡)
近衛新体制―大政翼賛会とは何だったのか(古川隆久
日米交渉と開戦―「東郷変節」の謎に迫る(蓑原俊洋)
終戦―無条件降伏をめぐる論争(井口治夫
東京裁判―昭和の戦争の帰着点(日暮吉延)

第1章から14章でとりあげられているトピック(章題)と執筆者は上記の通りで、読売新聞の刊行物だったとしても違和感の無い顔ぶれです。で、思ったのですが、どうせなら同じトピックでそろえて*1「大月書店ならどんな本になるか」「文藝春秋社ならどんな本になるか」……というのが見てみたいな、と。で、各社出揃ったところで満を持して産経に参入してもらうわけです。そうすると、「学問研究に当然のように存在する見解の多様性」とはどのようなものであり、他方「学問研究とそうでないものとの違い」がどのようなものであるか、というのが一般人にも実に判りやすくなるんじゃないかな、と。

*1:もちろんどのトピックを選ぶかも編者の(そして出版社の)見識を示すものではあるのですが、比較しやすさを重視して。