「寝た子を……」は差別主義者の定番の拠り所、そして秦郁彦の嘘

タイトルを見ただけで読むに値しないことはわかってしまうのですが、そこをぐっと我慢して読み続けるととんでもないことが書かれています。

92年1月11日付朝日新聞は1面トップで、吉見義明中央大学教授が慰安所に軍が関与していたことを示す旧軍資料を見つけたと報じる。国会答弁で厚生省は関与していないので資料がないと答えたのを国が「偽証」したとこじつけ、他の大新聞も巻き込み、大騒動に発展させたのである。

問題の92年1月11日朝日新聞のトップ記事は次のような書き出しです。

日中戦争や太平洋戦争中、日本軍が慰安所の設置や、従軍慰安婦の募集を監督、統制していたことを示す通達類や陣中日誌が、防衛庁防衛研究所図書館に所蔵されていることが10日、明らかになった。朝鮮人慰安婦について、日本政府はこれまで国会答弁の中で「民間業者が連れて歩いていた」として、国としての関与を認めてこなかった。昨年12月には、朝鮮人慰安婦らが日本政府に補償を求める訴訟を起こし、韓国政府も真相究明を要求している。国の関与を示す資料が防衛庁にあったことで、これまでの日本政府の見解は大きく揺らぐことになる。政府として新たな対応を迫られるとともに、宮沢首相の16日からの訪韓でも深刻な課題を背負わされたことになる。

では、日本政府は「厚生省は関与していないので資料がない」と答えただけだったのでしょうか、それとも「民間業者が連れて歩いていた」と「偽証」していたのでしょうか?

○政府委員(清水傳雄君) 従軍慰安婦なるものにつきまして、古い人の話等も総合して聞きますと、やはり民間の業者がそうした方々を軍とともに連れて歩いているとか、そういうふうな状況のようでございまして、こうした実態について私どもとして調査して結果を出すことは、率直に申しましてできかねると思っております。

平成2年(1990年)6月6日、参議院予算委員会における労働省職業安定局長の答弁です。強調は引用者。これ以上のコメントは不要でしょう。