D-Day 70周年番組を見た

先週は NHK の BS で D-Day 関係の番組を4日連続で放送していたのだが、初日のイギリス BBC 制作の『D-Day 壮絶なる戦い(前編)』では、1942年8月の「ディエップの戦い」を取り上げていた。反攻を目論む英加軍が北フランスの港町ディエップに上陸作戦を敢行したところ、準備不足のため総員6千人のうち半数が戦死、戦傷、ないし捕虜になるという大損害を出した作戦。生存者の1人が「あの時のことはずっと考えまいとしてきました。考える度に悪夢を見るからです。ディエップの記憶は消してしまったようなものです。記憶を消し去り、話もしていません」と語っていたのが印象的。「戦後何十年も経ってから喋り始めるのはおかしい」などといった見方がいかに浅薄であるかがわかる。後編では、案内役の人物がノルマンディー上陸作戦について「もし私が連合軍の兵士だったら、じぶんにこの海岸を攻撃させた愚か者に対して怒りを感じたでしょう」とコメント。上陸作戦がナチスに対する勝利をもたらしたというマクロな視点とは別に、戦場で死んでゆく兵士の視点も国営公共放送が提示していた。籾井NHKにそんなことができるだろうか?