BS日テレ「検証 日本人が失敗するとき インパール作戦の無謀 なぜ補給無き戦いに!?」
7月18日にBS日テレの「深層NEWS」で放送された「検証 日本人が失敗するとき インパール作戦の無謀 なぜ補給無き戦いに!?」、録画しておいたのをようやく観たのですが、ゲストの小谷賢氏のコメントがいろいろと疑問の残る内容でした。旧日本軍の「現地調達」方針を説明する際、それがしばしば略奪だったことに触れなかったこと。ビデオフッテージで紹介された元輜重兵連隊の兵士の証言は明らかに米の略奪を示唆していたにもかかわらず、です。牟田口廉也の軍歴を尋ねられて盧溝橋事件に触れなかったこと。インパール作戦時のビルマ方面軍司令官河辺正三とは盧溝橋事件当時連隊長・旅団長の関係だったことにも触れませんでした。無謀な作戦が通ってしまった背景として「温情主義」に言及していながら河辺とのこの関係に触れないのは不自然としか言いようがありません。さらに、総括部分では「温情主義」の問題と「年功序列」の問題とがごっちゃになっていました。
8月10日追記:あ〜、もういっこ思い出した。「インパール作戦の失敗から学ぶ教訓」みたいな話題になった時に、「想定外の事態が起こったときどうするか、というオプションが準備されてなかったのがダメ」(大意)みたいな話になっていたのだが、補給の途絶にせよ雨季にせよ容易に想定できなきゃだめなことなんであって、むしろ「都合の悪いことはネグって想定外だということにしちゃう」ことの問題点なんじゃないですかね。それこそ最近で言えば福一の事故にも通じるような。