ピオ12世、「尊者」に

日本における「靖国神社」とある意味で似た問題がヨーロッパにもある、ということ。

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 ローマ法王庁バチカン)は昨年12月19日、前法王ヨハネ・パウロ2世と第2次大戦中の法王ピオ12世を「尊者」とすることを決めた。今後「福者」を経て、カトリック最高の崇敬対象である「聖人」に列する手続きを開始したことを意味している。


 ピオ12世(在位1939〜58年)は、ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺(ホロコースト)を明確に批判せず黙認したとされていることから、各国のユダヤ系団体が一斉に反発。独ユダヤ人協会は「(尊者決定は)現段階では早すぎる」との声明を発表。「ベネディクト16世に失望した」(米ユダヤ委員会)、「バチカンと仏のユダヤ人社会の関係に打撃を与えた」(仏ユダヤ人団体)といった批判が相次いだ。
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ピオ12世の沈黙や、ドイツの敗戦後にバチカンがナチ戦犯の逃亡に協力したことは、共産主義社会主義)による暴力のカウンターパートたる「反共の名の下における暴力」として追求されるべきことの一つであろう。

ヴェトナム戦争をめぐる越韓対立

これまた「反共の名の下における暴力」に関わる話題。1月6日付けの朝日新聞(大阪本社)朝刊、国際面に「ベトナム戦争の解釈「平和維持」 韓国にベトナム反発」と題する記事が掲載されている。韓国が「功労者の顕彰制度に関する法改正」に際してヴェトナム戦争に従軍した将兵を「世界平和の維持に貢献した」と表現したことがヴェトナムの反発を招き、李大統領のヴェトナム訪問(昨年10月)が危うくなる事態となり、韓国側が「世界平和の維持に貢献した」という文言の削除をヴェトナムに約束した、とのこと。