2006-01-01から1年間の記事一覧

ETV特集 「戦場からの報告〜レバノン・パレスチナ〜」

NHK教育で午後10時から放送です。 放送、始まりました。レバノンを舞台とするイスラエルとヒズボラの戦いを取材した3人の日本人ジャーナリストが撮影したビデオが素材です(スタジオにも綿井健陽、土井敏邦、古居みずえ、のその3人プラス政治学者の臼杵陽が…

フセイン元大統領処刑さる

以前に書いたように、クルド人虐殺などについての審理は打ち切りとなってしまった。フセインを処刑したことで直ちに残余の事件の真相究明が不可能になるわけではないにせよ、フセイン本人の反論がないかたちでの調査が将来否定論を生むことにならねばよいが。

検閲された長崎潜入ルポ、米で刊行

時事通信社 時事ドットコム 2006/12/28-14:50「 原爆の恐怖、生々しく=GHQ封印−米紙記者の長崎潜入ルポ、61年ぶり出版」 【シカゴ28日時事】原爆投下直後の長崎に潜入して執筆したものの、連合国軍総司令部(GHQ)の軍事検閲で61年間封印されて…

シベリア抑留、引き上げ終了から50周年(追記あり)

昨日のニュースになるが。京都新聞電子版より。 シベリア抑留、風化させない 舞鶴で引揚終了50年記念し集会 シベリア抑留者を乗せた最後の引き揚げ船「興安丸」が舞鶴港に入港して50年となる26日、全国から京都府舞鶴市に抑留体験者や遺族らが集まり「シ…

補記その2

しまうまさんたちが個別にコメントしてくださってるので同じことの繰り返しは止めます。まあ多くのコメントについてはしまうまさんの あなたが歴史が「これが証拠、はい終了」というものだけで構成されていると思っているとしたら大間違いだと言うことです。…

補記

昨日のエントリについて。なんというか末尾で当方なりに複雑な思いがあることを断っておいたのに、コメント欄には今日になって私のエントリの正しさをわざわざ立証するためにせっせと努力する工作員が現われる始末。南京事件否定論者のみなさん、大変です。…

視点・論点「まん延するニセ歴史学」

まかされてしまった以上、やるしかありますまい(w 元ネタはこちら。できれば省略なしのフルバージョンでやりたかったが、一部飛ばしてます。ネタを思いついたら追記するかも。 みなさんは、「ニセ歴史学」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。 これは…

「百人斬り」訴訟、ダメ記事の見分け方

asahi.com 2006年12月23日 旧日本軍の「百人斬り」めぐる訴訟 本社などの勝訴確定 旧日本軍将校2人が中国で1937年、中国兵を日本刀で殺害した人数を競う「百人斬(ぎ)り競争」をしたとする当時の新聞報道や、後にこの問題を扱った書籍を巡り、2人の遺…

朝日新聞、「歴史と向き合う」第5部

朝日新聞、「歴史と向き合う」第5部 真実と和解 (1)対話進む隣国と摩擦 「被害」語りはじめた独(12月17日) (2)植民地の記憶 争う仏(12月18日) (3)南ア差別 修復へ対話(12月19日) このところ新聞をちゃんと読まないもので、すでに単行本化されている(…

戦史叢書による「バターン死の行進」

防衛庁防衛研修所戦史室の編纂になる『戦史叢書』シリーズ(朝雲新聞社)の一冊、『比島攻略作戦』が箱・付属の図表無しで安く売られていたので購入。「バターン死の行進」については「いわゆる「死の行進」事件について」という一節を設けているものの、わ…

中川政調会長、アメリカの原爆投下を「犯罪」と批判

Kyodo Newsより。 自民党の中川昭一政調会長は17日夕、長崎市内で講演し、第2次世界大戦で米国が長崎に原爆を投下したことについて「ああいうものを撃ち込むという米国の判断は本当に人道的にも許すことができない。原爆投下は犯罪だ」と述べた。 (…) …

味方からも盗む日本軍

吉田裕が『日本人の戦争観』(岩波現代文庫)で言及していた高橋三郎の『「戦記もの」を読む―戦争体験と戦後日本社会』(アカデミア)を古書店で見つけたので購入。アマチュアの場合どうしても利用可能な資料が限られてくるので、全体の見取り図となるような…

またしてもカジュアル否定論

グッテンタグ監督による「南京事件」映画制作の報道に続いて、生存者の来日証言集会についての報道があったのをうけてまたしても「カジュアル否定論」エントリがあちこちで立てられている。例によって南京事件に関してもっとも基本的な事実関係すら知らずに…

真珠湾攻撃については…

とりあえず現在、特に語りたいこともないので、以前に書いたエントリをリンクしておくことにする。『黒澤明vs.ハリウッド』、「外務官僚たちの真珠湾攻撃」

補足

一つ前のエントリへの補足。なぜ“板倉由明が「適性派(ママ)」じゃまずい”と考えるのかを説明しておかないと、ということで。詳細については http://www.geocities.jp/yu77799/giseisha.html もご参照ください。 まず第一に、板倉氏は偕行社『南京戦史』の…

追記

犠牲者数推定の確実さについてグラデーションがあることについて論じたが、同じことは違法性ないし残虐性についても言える。「どうにも弁解の余地なく違法<大方の一致するところ違法<違法の疑いが極めて濃い<違法の疑いなしとしない<違法だとする者もな…

板倉由明が「適性派(ママ)」じゃまずいでしょう、山本さん(追記あり)

http://homepage3.nifty.com/hirorin/nankin01.htm http://homepage3.nifty.com/hirorin/nankin00.htm 「適性」ってのは「適正」のことなんでしょうね。 「おすすめ南京本」として『25歳が読む「南京事件」 事件の究明と論争史』(稲垣大紀、中央公論事業出…

雑感

とりとめもないことをばいくつか。 中国のいわゆる「反日教育」批判への反論として、「中国人は学校教育を通してではなく、親から子へ、孫へと体験を語り継ぐことによって対日戦争観を形成している、それゆえ反日教育批判は的外れだ」というものがある。個人…

某所での自コメントより

グッテンタグ監督による映画制作についての報道をきっかけに、南京事件に言及するエントリがたくさん書かれたわけだけれども、日常的に南京事件否定論を書き続けているブロガーとは一味違う感じで、きちんと議論が成立するケースもあった。そのなかのひとつ…

ところで日本政府の公式見解なんだけど…

good2ndさんが、Sunday Telegraph の記事に反論するかたちで外務省が南京事件についての見解を述べている英文を発見しておられる。曰く、 First, the Government of Japan considers it an undeniable fact that the killings of Chinese non-combatants and…

ニュージーランドの裁判所、イスラエル元参謀総長に逮捕状

asahi.com 2006年12月01日19時02分 イスラエル軍のヤアロン前参謀総長が02年のパレスチナ自治区ガザに対する攻撃の責任をめぐり、訪問先のニュージーランドで逮捕状を出されていたことが30日、明らかになった。逮捕状は同国検察当局の判断で執行されなか…

「30万人殺害されたとは言い切れない」と「30万人も殺されていない」の間の差

南京事件否定派が成功しているのは「30万人が殺害された、とする根拠が十分じゃない」ということの論証である。しかしそこから直ちに「30万人も殺されていない」とするのは論理の飛躍である。「30万人も殺されていない」と主張するためには、それこそ安全区…

「言われているような南京大虐殺」はなかったろう論

青狐さんが「ローカル定義症候群」と名づけているものだが。 しかし彼らは原爆投下とかシベリア抑留といった日本の被害についても、日米間、日ロ間で認識が違っているということをどう考えているのだろうか。日本で一般的な原爆被害、シベリア抑留被害に関する…

通州事件をめぐるダブルスタンダード

グッテンタグ監督の映画に関する報道があってからいろいろと忙しくしているわけだが、例によって通州事件(こちらをご参照ください)をひきあいに出す人々がいる。非常に印象的だったのは、彼らが「冀東防共自治政府の保安隊」が起こした事件に関して「中国…

テッド・レオンシス氏に送られちゃったメッセージ

あちゃ〜という感じですが。まずはこのエントリについたコメント。 (...)Based on the exhibited outcomes of the professional, objective and scientic analysis for the photographs and testimony given as "the evidence of the massacre", it is possi…

「ココログ別館」へのコメントへの返答

すっかり「跡地」状態になっている「ココログ別館」のエントリにコメントをいただいたのでこちらでお返事。 どうでもいいですけど、30万の人を殺すのは結構大変です。 東京大空襲や、広島長崎の原爆でやっと20万、30万の死者です。当時日本がどうやって30万…

旧軍が抱えた根本的矛盾

本館で書いたこのエントリとの関連で。 旧日本軍の最大の弱みは突き詰めれば経済力、技術力の不足だった。海軍の艦艇が「小さな船体に重武装を載せた、トップヘビー」なものだったことはよく指摘されるが(「第四艦隊事件」などがその現われ)、江口圭一は当…

グッテンタグ作品についての報道への反響

ビル・グッテンタグ監督による、南京事件を扱った映画の情報はすでにIMDBにも掲載されており、それによると現在ポストプロダクション段階、タイトルはNankingとなっており、ウッディ・ハレルソンがウィルソン医師役で、マリエル・ヘミングウェイ(アーネスト…

ダブスタのお手本(追記あり)

9月27日の当ブログエントリ、白井洋子、『ベトナム戦争のアメリカ ―もう一つのアメリカ史―』、刀水書房にid:ravianrose氏がコメントをよせておられる(ちなみに、「ばら色の人生」は"la vie en rose")。私が氏のダイアリーにコメントしたことを受けてのこと…

北博昭、『軍律法廷 戦時下の知られざる「裁判」』、朝日選書

関連エントリ 空襲軍律 その一 空襲軍律 その二 (以上、id:bat99さん) 『日中開戦―軍法務局文書から見た挙国一致体制への道』 『法廷の星条旗 BC級戦犯横浜裁判の記録』 (以上、当ブログ)内容についてはbat99さんが紹介しておられるので、そちらをご参照…