戦犯裁判

新任最高裁判事の答弁を否定していたネトウヨ

この4月から最高裁の判事になった元外交官の林景一氏については、2013年10月13日の『朝日新聞』の報道(「慰安婦問題の拡大阻止 92~93年、東南アで調査せず」)において、次のようなかたちで登場したことがあります。 インドネシア政府が日本政府の 慰安…

極右政治家のおかげで、「戦犯裁判を受諾」がまたしても再確認されました

私は06年に「箸にも棒にもかからぬ愚論、『受諾したのは判決だけ』」という記事を書いて、右翼議員が国会で「講和条約11条で受諾したのは判決だけ」とブチあげるたびに日本政府がそれを否定する羽目になることを皮肉っておいたのですが、今回再び稲田朋美セ…

『フィリピンBC級戦犯裁判』

永井均、『フィリピンBC級戦犯裁判』、講談社選書メチエ、2013年 著者が岩波から2010年に刊行した『フィリピンと対日戦犯裁判』の方は未読。ゆえに本書が岩波本の一般向け簡略版なのか、それとも新たな観点や問題意識が加えられているのかについてはいまのと…

「東京裁判と特高警察」

荻野富士夫、「東京裁判と特高警察 不処罰の理由を追う」、『世界』(岩波書店)、2013年2月号 対日戦犯裁判では対独裁判に比べ「人道に対する罪」の追及が事実上なされなかったことは、当ブログの読者の方であればすでにご存知のことだろう。もし連合国が東…

「A級戦犯」「BC級戦犯」という用語について

一般に「A級戦犯」は極東国際軍事裁判所条例の第5条A項が定める「平和に対する罪」で訴追され、有罪になった戦犯と理解されている。そこから、「平和に対する罪」でも起訴されたものの有罪になったのは同5条B項が定める「通例の戦争犯罪」のみであった松井石…

チャーチルの言う通りにしておけばよかった?

21世紀になってもまだ東京裁判についてぐちゃぐちゃ文句つける日本人がいるということを泉下のチャーチルが知ったら、「ほら、俺が言った通り即決処刑にしておけばよかっただろ」と思うだろうね。裁判という手間をかけたおかげで時間も金も労力もかかったし…

野田新首相は自らの主張に従うか?

今年の8月15日には「A級戦犯は戦争犯罪人ではない」という主張を維持していると発言していた野田新首相は、代表選勝利後の記者会見では「私は政府の立場なので(政府の)答弁書を踏まえて対応したい」と語った、とされています(時事の記事)。これは予想さ…

『「BC級裁判」を読む』その3

本書では過去にこのブログでとりあげた事例もいくつかとりあげられている。例えば「武士道裁判」について、当時の新聞にも「武士道裁判」という表現が「デカデカと」出ていたけれども裁判の争点との関連は薄く、「私は裁判記録を読んで、中村さん〔中村孝也…

『「BC級裁判」を読む』その2

半藤一利・秦郁彦・保阪正康・井上亮、『「BC級裁判」を読む』、日本経済新聞出版社 この本が日経から出ている(ベースになった連載も日経紙上)というのは少なからぬ意義をもつと思うし広く読まれることを祈りたいが、他方で異論を唱えたいところももちろん…

『BC級裁判」を読む』その1

半藤一利・秦郁彦・保阪正康・井上亮、『「BC級裁判」を読む』、日本経済新聞出版社 21世紀の「進歩的文化人」(by 西尾幹二センセ)トリオと日経新聞の井上亮氏(「富田メモ」報道のひと)によるBC級戦犯裁判論。裁かれた事件の類型ごとに章を分けて(序章…

A級戦犯「聴取書綴」

死刑を免れ釈放されていたA級戦犯を対象に行われた聞き取りの記録「聴取書綴」が国立公文書館に所蔵されていた、ということを8月18日の日経新聞朝刊が報じています。国立公文書館のデジタルアーカイブで検索してみるとすでに公開されていることが確認できま…

「洗脳」について

三光作戦については撫順戦犯管理所の元収容者たちによる証言がよく知られており、またそうした証言者たちは「洗脳」されたのだとする右派のキャンペーンがあることもよく知られている。元収容者たちの供述調書は『日本軍の治安戦』でも資料として利用されて…

いくらヨットに乗っても反省しないの?

「虚構の皇国」さん経由で。 私たち有志は、わが父祖が大東亜戦争の戦火を乗り越えて、戦後、国家主権を回復した記念日である4月28日を期して、 「体罰の会」を発足し、広く国民運動を展開して行くことを決意しました。 戦後日本の現状は、東京裁判史観に…

「はずがない」論法

「ゴボウのせいで戦犯になった日本人」に関する情報をネットで検索すると上位でヒットするものの中に、次の二つがある。 http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3395418.html http://okwave.jp/qa/q4983400.html どちらでも同じハンドルの(恐らく同一人物)が同じ議…

函館俘虜収容所第一分所事件

大須賀・M・ウイリアム、『ある日系二世が見たBC級戦犯の裁判』、草思社 以前に言及したことはあるのだがとりあげそびれていた本。著者は日系二世アメリカ人で、大戦中には陸軍情報部日本語学校で訓練を受け、マニラを経て横浜に赴任。被告人弁護団の通訳官…

横浜裁判の一場面

machida77 さんや bat99 さんが『神を信ぜず』について紹介してくださっているので(表3、表4までw)、私も一つのエピソード(第一話「武士道裁判」に出てくるもの)を紹介しておきたい。 訴追された事件は次のようなもの。墜落したB29のパイロットの内7名…

「ゴボウ」伝説、再び

関連エントリ http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20060828/p1 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20060901/p2 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20060907/p1 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20071227/p1 こちらにコメントしたのだが後述するような事情で掲載される見込み…

なぜ12月23日だったか(追記あり)

時期外れの話題になってしまったが、ご承知のように「A級戦犯の処刑が12月23日に行われたのは、それが(当時の)皇太子の誕生日だったからだ」とする説がある。猪瀬直樹も『ジミーの誕生日―アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』なんて仰々しいタイトル…

東京裁判弁護団の反論にみる本質主義

秋から読み始めたもののいろいろな事情でまだ読み終わらない『東京裁判 第二次世界大戦後の法と正義の追求』(戸谷由麻、みすず書房)より。旧日本軍の残虐行為に関する各国の検察団の立証努力を紹介し、さまざまな類型の残虐行為が各戦線で行なわれていたこ…

1948年11月12日

今日は極東国際軍事裁判(東京裁判)の判決が下ってから61年目の日ということになる(判決の言い渡しが始まったのは11月4日)。死刑判決を受けた被告の刑が執行されたのが当時の皇太子の誕生日にあたっていたのはGHQの陰謀! というはなしをウヨな方々が持ち…

ちなみに

私自身のパル(パール)判決に対する評価ですが。 ・ああいう見解を持っていたインド(アジア)の知識人がいた、ということは記憶されればよい ・しかし“判決(意見書)”としては結論先にありきのもので、内容的にもとりたてて独創的なところがあるとは思え…

パル(パール)判事の選任過程に関する公文書、発見

9月5日(土)の朝日新聞(大阪本社)夕刊に「パル判事 誤って選任」と題する記事が掲載されている。 第2次世界大戦後、連合国が日本の戦争指導者を裁いた東京裁判(極東国際軍事裁判)の判事団で唯一、東條英機ら25人の全被告を無罪としたラダビノド・パ…

『キムはなぜ裁かれたのか』

内海愛子、『キムはなぜ裁かれたのか 朝鮮人BC戦犯の軌跡』、朝日新聞出版 3月8日(日)に再放送されたETV特集「シリーズBC級戦犯(1) 韓国・朝鮮人戦犯の悲劇」のエンドクレジットの冒頭に「資料提供」として著者の内海氏の名前があるが、内容的にも重…

東京裁判で弁護人が判決に関与?

今朝の朝刊一面に載っていた記事。asahi.comでは見出しが変わっているが。 asahi.com 2009年2月22日 「日本人元弁護人「東京裁判判決文に関与」 61年に証言)(1ページ目魚拓、2ページ目魚拓) 第2次世界大戦後、日本の戦争指導者らをさばいた極東国際軍…

『北海道の捕虜収容所』

白戸仁康、『北海道の捕虜収容所 もう一つの戦争責任』、道新選書 しばらく前に読者の方からメールを頂戴して推薦していただいたのだが、関西在住なもので北海道新聞社の刊行する道新選書はなかなか店頭にみあたらず、通販で取り寄せたものの今度は選書とい…

ポル・ポト派特別法廷、開廷へ(追記あり)

asahi.com 2月10日 「30年超え裁く大虐殺 ポト派特別法廷17日開廷」 カンボジアのポル・ポト政権(75〜79年)によるカンボジア大虐殺を裁く特別法廷が2月17日に開廷する。犠牲者170万人とも言われる大虐殺から30年余り。真相解明と責任を問…

A級戦犯15人 自筆意見書

12月24日 朝日新聞 「A級戦犯15人、意見書の写し 「自衛戦」主張明らかに」 第2次世界大戦後、日本の戦争指導者らをさばいた極東国際軍事裁判(東京裁判)で、元首相の東条英機らA級戦犯15人が弁護団へあてた自筆の意見書の写しが、国立公文書館に保…

その対立は本物か?

朝日新聞12月23日 「東京裁判判決から60年 冷静な史料研究続々」 これまで、裁判を肯定する「文明の裁き」論と、否定する「勝者の裁き」論が対立してきた。日本の植民地支配や侵略行為を正当化し、「東京裁判はあの戦争の責任を全(すべ)て日本に押し付けよ…

実は「最後の戦犯」にあらず

12月7日に放映されたNHKのドラマ「最後の戦犯」。録画していたこともあって「ながら見」していたのだが基本的には史実に忠実に、という作りであったと見えた(脚本は主人公のモデルの手記に基づいている)。番組公式サイトには「予習コーナー」があって「軍…

東京裁判全記録、整理完了

NIKKEI NET 08年9月10日 「東京裁判、全記録明らかに 国立公文書館が整理完了」 日中戦争、太平洋戦争の政府、軍指導者を裁いた極東国際軍事裁判(東京裁判)判決から今年11月で60年を迎えるにあたり、国立公文書館(東京・千代田)は所蔵する裁判記録(和文…