新任最高裁判事の答弁を否定していたネトウヨ
この4月から最高裁の判事になった元外交官の林景一氏については、2013年10月13日の『朝日新聞』の報道(「慰安婦問題の拡大阻止 92~93年、東南アで調査せず」)において、次のようなかたちで登場したことがあります。
インドネシア政府が日本政府の 慰安婦問題の調査は不十分などと抗議する声明を出したことについて、外務省 の林景一南東アジア2課長(現駐英大使)が92年7月1 4日にインドネシアの在京公使に申し入れた内容を記す文書もあった。
林氏は「信用できないと断定されたに等しく、残念」と抗議。両政府間で戦争賠償は決着しており、慰安婦への補償を求められることは「ありえない」と批判した。さらにインドネシア政府の担当者が声明を発表した際、旧日本兵の処罰を求める発言をしたことに触れ、「韓国ですら問題にしていない。かかる発言は驚き」と非難した。
当時、この記事には言及しそびれていたのですが、別のかたちで林氏には当ブログで言及したことがあります。
この記事で引用した答弁を行ったのが、当時外務省国際法局長だった林氏だったわけですね。
平成17年06月02日 参院外交防衛委員会 発言者:政府参考人(林景一)
「ただ、重要なことはそのジャッジメントというものの中身でございまして、これは実際、裁判の結論におきまして、ウェッブ裁判長の方からこのジャッジメントを読み上げる、このジャッジ、正にそのジャッジメントを受け入れたということでございますけれども、そのジャッジメントの内容となる文書、これは、従来から申し上げておりますとおり、裁判所の設立、あるいは審理、あるいはその根拠、管轄権の問題、あるいはその様々なこの訴因のもとになります事実認識、それから起訴状の訴因についての認定、それから判定、いわゆるバーディクトと英語で言いますけれども、あるいはその刑の宣告でありますセンテンス、そのすべてが含まれているというふうに考えております。」
政府としての見解を述べたのであって個人的見解を述べていたのではないとはいえ、最高裁判事がこう発言していたというのはぐっと来るものがあります。