2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧
※ジークムント・バウマン、『近代とホロコースト』、大月書店(森田典正訳) 1989年の刊行ながらホロコースト研究の「古典」とも評されるバウマンの代表作の邦訳が刊行されことをN・Bさんに知らせていただいたのでさっそく購入。バウマンは1925年、ポーラン…
いままでなにしてたんだよ、と言いたくもなるが、ともあれ貴重な史料には違いない(特に撮影日時、場所などのデータが残っているもの)。写真集にして出版して欲しいなぁ、現代史家の解説つきで。というか、すべきでしょう。 ちなみに、南京事件については、…
植民地時代のアメリカ史を専門とする研究者によるベトナム戦争論。第1章、第2章でまずヴェトナム戦争の経過が描かれる。北緯17度線は「いかなる意味でも恒久的なものとは見なされない」というジュネーヴ協定を無視して(アメリカは調印しなかった)「南ヴェ…
現在半分ほどまで読み進んでいる『ベトナム戦争のアメリカ』(白井洋子、刀水書房)で紹介されているはなし。 アメリカではヴェトナム戦争が「いつ始まったか」に関して諸説があるが、その一つに「1945年から」というものがある。なぜかと言えば、1945年10月…
シンクロニシティーを感じてしまうが… 「石器時代に戻す」と脅迫された パキスタン大統領 【ワシントン=有元隆志】訪米中のパキスタンのムシャラフ大統領は21日の米CBSテレビのインタビューで、2001年9月の米中枢同時テロ後にパキスタンを訪れた…
今どき、クメール・ルージュへの共感をこれほど明確にした本が出る、というのはかえって新鮮。といっても、本書のベトナムに関する記述からもわかるように、「革命」ではなく「クメール(人)」への思い入れが著者の原動力であるようだ。たしかに、善玉・悪…
# 教えてください 『終戦直後の南京には武装解除された日本兵が各地から集められ、順次日本へ送り返されたそうです。 一時期は一万人以上の日本兵が一ヶ月間ほど滞在し、南京市内に限り自由に歩き回ることが許されていたそうです。 しかし、その間に南京市民…
http://alicia.zive.net/weblog/t-ohya/archives/000349.html要するに、「負けたやつは黙ってろ」というご説ですな。ところで、 なお富田メモ問題について、左翼の中で一番筋が通っていたと思う発言は、高橋哲哉先生の「憲法の問題なんだから天皇がどうでも…
大変興味深く読んだ。BC級戦犯裁判についてはさまざまな先行研究があるが、法律家が法的な観点からみて興味深い事例を選び、残された訴訟資料を検討した結果である本書には独特の意味があると思われる。 第1章が横浜裁判が開廷するに至るまでの歴史的経緯、…
日本軍はドゥーリットル隊による空襲を受けて、無差別爆撃を行なった爆撃機の搭乗員を処罰するための「空襲軍律」を制定した。『法廷の星条旗』では空襲軍律によりB29の搭乗員を処刑した事件についての戦犯裁判がとりあげられているが(後述)、問題は爆撃後…
このところ「歴史解釈権」という耳慣れないことばをなんども聞かされるので、「はて? 私が知らないだけで、確立した用語なのだろうか?」と思ってググってみたんですが、これがもうみごとに「大東亜戦争は正しかった」と言いたい人の用例しか見つからないん…
古書店のなかには戦記・部隊史の類いをたくさん扱っているところがあるので、そうした古書店を選んでちょくちょく立ち寄っては、大きな戦争犯罪に関わった部隊の部隊史などないかと探してみるのだが、同じようなことをしたことのある方ならご存知のように、…
昨日取り上げた田中宏巳の『BC級戦犯』では「人道に反する罪」にふれる戦犯のうち「士官」がB級、下士官以下がC級とされた(ただしこの区別はあまり意味がなかった)と説明されていたのでびっくりした。極東国際軍事裁判所条例ほかがa項で平和に対する罪、b…
個人的に戦犯裁判に関して大きな不公平だと感じるのは、死刑を執行された被告と終身禁固、ないし長期の禁固刑(あるいは懲役刑)を宣告された被告の間の違いですね。講和条約成立後、禁固刑を受けていた戦犯は徐々に釈放されていき、何十年も禁固刑を執行さ…
石原知事、また「三国人」 治安対策めぐり発言 東京都の石原慎太郎知事は15日に都内であったシンポジウムで、国の治安対策を批判し、「不法入国の三国人、特に中国人ですよ。そういったものに対する対処が、入国管理も何にもできていない」と発言した。石…
著者は本書執筆当時防衛大学校教授。外務省所蔵の関連資料が98年に公開され、特集を組んだ読売新聞のプロジェクトに参加したこと、およびオーストラリアの国立戦争記念館所蔵の資料を閲覧したことなどの成果である。 著者は自身の狙いを次のように語っている…
本書の主役、重光葵の著書『昭和の動乱』から本書は次の一節を引用している。 一旦終戦となると、忽ちにして政治家も実業家も、恰も日本は戦前平時の状態に復帰したもののように考え、終にいは、国際関係は旧に復し、通商すら直ちに自由に開けるものと軽信す…
コメント欄ですでに黒尼さん、Gl17さんからご紹介のあったニュースですが。 米下院委員長、「遊就館」の展示内容見直し求める 【ワシントン=五十嵐文】米下院国際関係委員会のヘンリー・ハイド委員長(共和党)は14日、日本と中韓両国など近隣諸国の関係…
(実際には14日に投稿) アジア歴史史料センターのWebサイト*1ではスキャンされた史料を検察・閲覧できるのだが(デフォルトではブラウザにプラグインが必要だが、JPEGでも閲覧可)、調べるべきものがよくわかっていない素人には使いこなすのがなかなか難し…
日本は判決(刑の執行)を受諾しただけで裁判そのものを受諾したわけじゃない…という愚論が後を絶たない理由は、「東京裁判を受諾したのだとすると東京裁判史観を受けいれたことになってしまう」という思い込みにあるらしい。しかし、この思い込みが「日本国…
世の中には、自分の思い込みに基づいて現実を改竄しようとするひとがいるから、困ったものですな。 「裁判or判決」論の前に、小林のこの主張について議論しなくて何を議論するんだろう?それに小林の言う“デマ”は「SF11条で東京裁判史観を受け入れた=靖国参…
「小泉と特攻隊員」というエントリへのコメント欄でフナずしさんからご教示いただいた『つらい真実 虚構の特攻隊神話』、近所の書店であっさりと見つかりました。この種のテーマの本は「近代史」コーナーにある場合と「戦記」コーナーにある場合があるのでち…
私が「中国様の言う事を聞いてA級戦犯は分祀しろよコノヤロー」と主張している、とkikori2660氏が言うので、「いつどこで私がそんなこと主張した?」と問い返したら、答えになってない答えしか返ってこなかったので再度回答を要求すると、こんな答えが返って…
野良猫氏はだんまりを決め込みmyhoney0079氏にたしなめられているが、他方まだがんばっているのがkikori2660氏。自身のエントリのみならずここのコメント欄でも未練たっぷり*1。だが小林の「当事者を拘束するのは「主文」だけである。「判決理由」には既判力…
本館の掲示板でmachida77さんから次のような情報を提供していただきました。 戦時中に捕虜にゴボウを食べさせた話の件で、ちょっと関連した話題をみつけました。 内海愛子『日本軍の捕虜政策』(青木書店)の記述(p164)で 「イギリス人将校は、ゴボウのこ…
すでに一部を紹介した秦郁彦、『昭和史の謎を追う』(上下、文春文庫)から、いくつか紹介。 まずは第17章「マレーシア虐殺報道の奇々怪々」。章題からは虐殺の存在に懐疑的であるかのような印象を受けるが、実際にはそのようなことはない(犠牲者数について…
あと、こちらでもまだ続いてます。ちなみにこの「潜水艦」氏も私がA級戦犯分祀を主張していると思い込んでいる。もちろん私はA級戦犯分祀なんて主張したことないわけで。というか、そもそも分祀を主張している左派ってそんなにいますか? むしろ保守穏健派で…
寝ているあいだにkikori2660氏とmyhoney0079氏の間でラリーがあった…というよりkikori2660氏のサーヴがネットに引っかかった、って感じですかね。鬼首モードではしゃいでたkikori2660氏ですが、まったく的外れですから。 ちょっと画像は小さいんですが。すい…
asahi.com 2006年09月12日00時26分 (…)また、72年の日中国交正常化の際、中国が戦争指導者と一般国民を分けて自国民を説得したことについて「それは中国側の理解かもしれないが、日本側はみんなが理解しているということではない」と述べ、容認しない考…
イラク戦争の正当性強調 米副大統領と国務長官 チェイニー米副大統領とライス国務長官は10日、中枢同時テロから5年を前に米テレビの政治討論番組に相次いで出演し、ブッシュ政権が主導してきた対テロ戦で「米国はより安全になった」と強調、旧フセイン政…