戦争責任

「特攻」関連本2冊

まずは前回の『ノモンハン 責任なき戦い』同様に NHK スペシャルをベースにした大森隆之『特攻の真実 なぜ、誰も止められなかったのか』(幻冬舎文庫、2018年)。番組タイトルは「特攻 なぜ拡大したのか」(2015年8月8日放送)。 まず言っておかねばならない…

『ノモンハン 責任なき戦い』

2018年に放送された NHK スペシャル『ノモンハン 責任なき戦い』を講談社現代新書で書籍化したもの。 本を読むにあたって番組を見直すことはしなかったので放送で使われていたかどうか記憶がはっきりしないが、引用されている辻政信の回想に次のようなものが…

12月の戦争関連番組(その2)

続いて実際に見た番組について。 -読売テレビ 2019年12月8日(日) 25:05 NNN ドキュメント '19「つぐない BC級戦犯の遺言」 今年は日本軍の加害をテーマにした番組がほとんどありませんでしたが、この番組もまたBC級戦犯の“受難”、特に死刑になった戦犯とアメ…

BS1スペシャル「隠された“戦争協力” 朝鮮戦争と日本人」

今年の夏に(といってもいまだ夏のような暑さですが) BS1 スペシャルとして放送された「隠された“戦争協力” 朝鮮戦争と日本人」が地上波でも放送されます。日本政府主導ではなく米軍主導の動員だったので地上波でも放送できるんでしょうね。もっとも番組そ…

鼎談「「マッカーサー証言」と戦後アカデミズムの退廃」

歴史修正主義にコミットしている学者のなかでも近現代史分野でのアカデミックな業績を残している数少ない例の一人が伊藤隆ですが、このひとは自分の業績に泥を塗る恐れのあるような“汚れ仕事”は慎重に避けているという印象があります。南京事件については否…

「美しき海の墓場トラック島〜戦時徴用船の悲劇〜」

NHK BSプレミアム 2018年8月8日(水) 21時〜 「美しき海の墓場トラック島〜戦時徴用船の悲劇〜」 731部隊をNスペでとりあげた昨年に比べるとまた被害体験偏重かなという印象が否めない今夏のNHKの戦争番組ですが、それでも日本政府、日本軍の責任には触れて…

2018年の7月7日

昨日は盧溝橋事件から81年目となる7月7日でした。グーグルのニュース検索結果は次の通りです。 非主流メディアであるレイバーネットを除けば、盧溝橋事件を主体的にとりあげたものはありません。日本のメディアが気にするのは“中国が反日かどうか”だけのよう…

もう講和条約からやり直すしかないね

産経ニュース 2015.9.7 菅官房長官、「言葉遊びに受け取れる」と不快感 国連事務総長「国連は中立ではない」発言受け 国連の説明は「言葉遊び」でもなんでもなく、客観的に見れば日本政府が火遊びをしているだけです。枢軸国と連合国の間で「中立」を保て、…

朝日の連載「新聞と9条」で伊達秋雄氏が話題に

私も最初は気づかなかったのですが、砂川事件の一審判決を出した伊達秋雄判事について、このブログで間接的に言及したことがありました。『司法官の戦争責任 満州体験と戦後司法』(上田誠吉、花伝社)という本を紹介した際、引用した文章の中に伊達氏の著書…

7月7日

グーグルのニュース検索で先ほど「盧溝橋事件」をキーワードに検索してみた結果です。 自らの問題としてこの日を取り上げようとする日本のメディアはないようですね。

どれだけアメリカに甘えれば気がすむのか

話題になっている産経新聞公式アカウントのツイートについてです。 window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id…

自らドツボに飛び込んでおいて「包囲網」呼ばわりとは

毎日新聞 2015年03月03日 「Listening:<社説を読み解く>戦後70年首相談話 日本の「外交資産」を引き継ぐ」 記事の見出しには「日本の『外交資産』を引き継ぐ」とありますが、「資産」というメタファーを用いるならそれを食いつぶしまくっている…

「“じいちゃん”の戦争」「特攻 歪(ゆが)められた戦果」

先週見逃した NNNドキュメント'15「“じいちゃん”の戦争」、また関西地方では放映が遅れていた NHK 総合の「特攻 歪(ゆが)められた戦果〜元兵士 戦後70年の証言〜」(「目撃!日本列島」)の2本、本日無事視聴しました。 「ニミッツ提督の詩」が登場しな…

経済的な加害について

すでに多くの読者の方がご覧になった記事だと思いますが。 朝日新聞 2015年1月6日 「旧日本軍の偽札用紙見つかる 民間巻き込んだ製造裏付け」 「偽札」というなら、敗戦が不可避になって以降も発行された軍票なども良心的な当事者なら「偽札同然」だと認識し…

『戦史叢書』の「バターン死の行進」免罪論

以前に戦史叢書シリーズの『比島攻略作戦』の巻を古書店で入手していたので(函なし、付属地図なしだと安く買えるもので)、そこでは「バターン死の行進」についてどのような弁明がはかられていたかをざっとご紹介しておきます。 第8章「バタアン半島の攻略…

産経新聞としては「アジア・太平洋戦争は日本の侵略戦争だったし、日本は村山談話・河野談話を堅持すべき」ってことでいいの?

msn産経ニュース 2013.5.11 「安倍内閣の閣僚は「ウルトラナショナリスト」? 韓国紙も根拠、考証不足の米議会報告書」 安倍晋三や下村博文が「ウルトラナショナリスト」だというのは妥当というしかない評価だと思うんですが、それはさておき「外務省の課長…

驚いていることに驚いた

毎日jp 2012年09月11日 「米同時多発テロ11年:進む風化に教師苦悩」 驚いたのは生徒らの誤解だった。「4人に1人はテロが米政府の陰謀と信じ、イラクのフセイン大統領が関与したと考える生徒もいた」。インターネット上の情報をうのみにする生徒らに事実…

記録を残すということ

NHKで放送された『海軍反省会』シリーズの書籍版、『日本海軍はなぜ過ったか―海軍反省会四〇〇時間の証言より』(澤地久枝・半藤一利・戸高一成、岩波書店)より。 半藤 アメリカは、真珠湾攻撃のことは、戦争中にすでにやっているんですよ。なぜ日本に奇襲…

『日本海軍400時間の証言』

NHKスペシャル取材班、『日本海軍400時間の証言 軍令部・参謀たちが語った敗戦』、新潮社 関連エントリ: http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20090809/p2 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20100829/p1 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20100906/p1 09年に放送されたN…

「陸軍軍医たちの戦争」、生体解剖についての証言

昨日放送された「証言記録 兵士たちの戦争」シリーズの「陸軍軍医たちの戦争」を見たのですが、医薬品がなくろくな治療ができなかったことや負傷兵を殺害した経験などが証言の中心だろうと予測していて実際その通りではあったのですが、野田正彰氏の『戦争と…

「証言記録 兵士たちの戦争 消えた連合艦隊」

中部太平洋のほぼ真ん中に浮かぶトラック諸島。さんご礁に囲まれ、大小200余りの島々が点在します。ここはかつて、日本が誇る連合艦隊の一大拠点であり、難攻不落の島だと言われていました。しかし戦局が悪化した昭和19年2月、米軍機動部隊の空襲によって…

『満州事変と政党政治』

NHKは今年4回シリーズで「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」を制作、放映したわけだが、そうなると気になるのはもう一つの問題である「日本人はなぜもっと早く戦争を終わらせなかったのか」をとりあげたシリーズが制作されるのかどうか。やるとしても4年後…

NHKスペシャル「日本人はなぜ戦争へと向かったのか 第4回 開戦・リーダーたちの迷走」

冒頭、「今から70年前の1941年、日本はアメリカとの破局的な戦争、太平洋戦争へと向かいました。当時のリーダーは、アメリカとの圧倒的な国力差という現実を無視して開戦に突き進んだと、考えられてきました」というナレーションでのけぞる。一体いつのはな…

NHKスペシャル「日本人はなぜ戦争へと向かったのか 第3回 "熱狂”はこうして作られた」

大きな枠組みとしてはこれといって目新しいところのない内容でしたね。マスメディアの戦争責任についてはすでに学問的な研究の蓄積もあるし、比較的最近も朝日新聞でかつての戦争報道を振り返る連載があったり(他紙で同様の企画が近年あったかどうかは把握…

「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」第1回、第2回を見て(追記あり)

この番組について書く前にとりあげたい本もあり、また第3回、第4回も見たうえで評価したいということもあって、とりあえず思ったことを漫然と書いておくことにする。 1月16日に放送された第2回「巨大組織“陸軍” 暴走のメカニズム」について、hokusyu さんが…

そのうち「広義/狭義の命令」なんて言い出す奴が出てきたりして……

asahi.com 2011年1月5日 「集団自決、軍の指示明記 強制は触れず 歴史民俗博物館」 国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市、平川南館長)が常設展示している沖縄戦の「集団自決」について、説明文から旧日本軍の指示・命令の記述が削除された問題で、同館は5日…

日本外交のニヒリズム

12月24日の朝日新聞(大阪本社)朝刊、「イラク戦争検証 日本は」より、谷内正太郎・元外務事務次官のコメント。 日本にとって最も重要な同盟国の米国が、国際社会の反対を顧みず武力行使に踏み切ろうとしている時、「やめておけ」という態度は取り得ないの…

『海軍反省会』、読みはじめる

昨年NHKの番組で題材となった(http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20090809/p2)「海軍反省会」のうち第1回から第10回までを文字起こしして刊行された『[証言録]海軍反省会』(戸高一成*1編、PHP)を読みはじめた。「反省会」は131回以上行なわれたと推定され*2…

A級戦犯「聴取書綴」

死刑を免れ釈放されていたA級戦犯を対象に行われた聞き取りの記録「聴取書綴」が国立公文書館に所蔵されていた、ということを8月18日の日経新聞朝刊が報じています。国立公文書館のデジタルアーカイブで検索してみるとすでに公開されていることが確認できま…

補足3

Bill_McCreary 2010/06/15 22:37 私もこの本は現在読んでいる最中です。なかなか三光作戦の本はないので、貴重ですね。 (後略) (http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20100613/p1#c1276609051) ミネルヴァ書房刊の『大量虐殺の社会史』(松村高夫・矢野久編著)…