A級戦犯15人 自筆意見書
12月24日 朝日新聞 「A級戦犯15人、意見書の写し 「自衛戦」主張明らかに」
第2次世界大戦後、日本の戦争指導者らをさばいた極東国際軍事裁判(東京裁判)で、元首相の東条英機らA級戦犯15人が弁護団へあてた自筆の意見書の写しが、国立公文書館に保存されていた。裁判に不満をもらし、自衛戦だったなどと自説にこだわる姿が浮かび上がってくる。
(中略)
東京裁判は46年5月に開廷。意見書は8月ごろに記されたらしい。弁護側の冒頭陳述で訴えてほしいことを約80ページにわたり書いている。弁護団のメンバーが持っていた資料を法務省が63年に複製。移管を受けた公文書館が07年夏から公開していた。
(後略)
ウェッブ版の記事は簡単だが、紙面では「15人の主な主張」が顔写真とともにリスト化されている。長くても40字程度の要約なのでどこまで意を尽くしているかは疑問ではあるが、「支那に於(お)ける排外、次に排日が、共産党を中心とする煽動運動なること」(重光葵)、「事態を作りたる深因は「欧米の反植民地的政策の影響」と「共産党の策動」」(東條英機・武藤章・岡敬純の連名)といったあたりに田母神「論文」に通じるものを見てとることができよう。趣旨が分かりにくいが興味深いのは畑俊六の「大東亜共栄圏とか何とかいうことは、緒戦勝利の副産物」という主張。この要約だとまるで反省の弁のようにに見えるが。東京まで閲覧に行くってわけにもいかないので(国立公文書館のデジタルアーカイブでは閲覧できないみたい)、とりあえずみすずの『現代史資料』シリーズに収録された「畑俊六日誌」でもあたってみることにするか。