補記

昨日のエントリについて。なんというか末尾で当方なりに複雑な思いがあることを断っておいたのに、コメント欄には今日になって私のエントリの正しさをわざわざ立証するためにせっせと努力する工作員が現われる始末。南京事件否定論者のみなさん、大変です。あなた方の仲間を騙る阿呆どもがあなた方の評判を下げてますよ。
「30万人分の遺骨をみせろ」なんてのはその典型です。『硫黄島からの手紙』が公開されたことで硫黄島の元日本軍将兵の遺骨が(さらに言えば硫黄島に限らずあちこちの戦場における戦病死者の遺骨が)まだまだたくさん回収されないままになっていることは有名になったと思っていたのだが、「遺骨が見つかった分しか虐殺犠牲者として認めない」という人びとは当然旧日本軍の戦没者推定にもケチをつけるんでしょうな。遺骨が発見されてないのに靖国に祀られてたり遺族が遺族年金貰うのはおかしい、と主張するんだろうか? 私が高校に通っていた頃の世界史の教科書には(そしてたぶん今の教科書にも)17世紀の三十年戦争でドイツ(「従軍慰安婦」という言葉は当時存在しなかった、それゆえ教科書に使うべきではない、と主張する人びとに倣って厳密にいえば現在のドイツ連邦共和国にほぼ相当する地域、だが)の人口は3分の1近くに減少した、と記載されていたと記憶しているのだが、もちろん「遺骨や遺留品」なんてはなしは出てこない。刑事事件じゃあるまいし、一体一体検死して犠牲者数が確認されている歴史的出来事なんてどれだけあるのよ? 

ここからが本題。念のために断っておくと、元ネタとなった菊池氏の疑似科学批判を茶化そうなどという気はさらさらありません。後になって「これはひょっとすると菊池さんのテレビでの発言をネタにしているように思われるかもしらん」と思ったので補足しておきます。私にネタをふった rna さんにももちろんそんなつもりはなかったと思います。結びの一節にある「真実か嘘かといった二分法的思考で、結論だけを求める風潮が、社会に蔓延しつつある」という菊池氏の危惧がかなり一般性を持つものだ、ということをアピールする一つの方法だった、ということで。もっともなんでもかんでも「二分法的思考」のせいにしてしまうのもヤバいわけですが。