秦郁彦、南京大屠殺紀念館を語る

【正論】「30万」堅持の政治的狙いは 現代史家・秦郁彦
注目すべきは次のような観測。

そのかわり、オリンピックを控えた中央の政府・党部は、経済や環境問題で対日柔軟路線を展開するだろう。また歴史実証主義の重視を唱える一部の若手研究者たちが、「30万は政治的数字」とか「死者埋葬の統計には水増しがある」と言いだしたのを許容しているのも、いずれ30万を20万前後に切り下げ、わが国の虐殺派との再提携を狙う伏線かもしれない。

「虐殺派」といったネーミング(記者の要約のせいかもしれないが)から滲む悪意を別とすれば、“中・長期的には30万という数字を撤回する可能性がある”というのはその通りでしょう。それが実現した時、否定論者がどう反応するのか、非常に興味があります。

頼まれもしないのに自滅の道を歩むひと

一部で話題となっていた「隼機関」の伊勢平次郎氏ですが、LIES OF THE LADY CHANG (仮題)なる本を執筆するそうです。で、The Barnes Review という雑誌の編集者にコンタクトをとったということなんですが…ホロコースト否定論に詳しい方ならご存知の通り、この雑誌はウィリス・カルトというホロコースト否定論者が内部抗争でIHRから追い出されて創刊したものなんですな。いや、是非ともこの出版計画は実現してもらいたいものです。花田紀凱が「賛同人」に含まれる映画『南京の真実』とともに、南京事件否定論者の国際的な評判を地に落とす…では足りないくらい失墜させることでしょう。映画の公式サイトの「情報交換掲示板」にもホロコースト否定論の投稿がありますしね。