声明文案

映画 Nanking に対するネガティヴ・キャンペーンと南京事件否定論に反対するネットワーカーの共同声明


Ted Leonsis氏、Bill Guttentag氏ほか製作、Bill Guttentag氏、Dan Sturman氏監督による映画 Nanking に関する情報が日本に伝わると同時に、産經新聞など一部のメディアはこの映画を「反日プロパガンダ」と決めつける報道を行ない、南京事件の存在を否定しようとする人々がTed Leonsis氏やこの映画に出演した日本人俳優のウェッブログに悪意に満ちたコメントを多数投稿するという事態が発生しています。こうした事態に鑑み、戦争犯罪に関心をもつ、あるいは旧日本軍の戦争犯罪を否認しようとする活動を憂慮する者として、私たちは次のように声明します。


1. Nanking Atrocity ないし Nanking Massacre は否定できない歴史的事実である。1937年から1938年の冬に南京で行なわれた蛮行の詳細や規模、原因などについて私たちは独自の見解をもつ権利を保留するが、Atrocity ないし Massacre と形容されるべき出来事が起こった、という点で私たちの見解は一致している。
2. 現時点で日本公開されていない映画 Nanking についての評価は保留するが、このような映画を製作する自由を全面的に擁護する。また、Nanking Atrocity についての議論を活性化させるためのきっかけとして、この映画が日本公開されることを歓迎する。この映画に対するネガティヴ・キャンペーンに対して私たちは同意していない。
3. 南京事件否定論歴史学の研究者によっても日本政府によっても支持されていないことを私たちは知っている*1。私たちは各自の事情の許す範囲においてこれまでも南京事件否定論に対して抗議してきたし、これからもしてゆくであろう*2

この後に声明への賛同者のリスト(ハンドル、URL)が続きます。南京事件ないし戦争犯罪問題を積極的に話題としてとりあげているブログとそうでないところを分けるというのが最初の案でしたが、別案としてハンドルのアルファベット表記のアルファベット順に並べる(南京事件を主題的に扱っているところにはアスタリスクなどをつける)というのもありかと思います。というのも、そうすれば私や青狐さん(bluefox014)が上の方に並んで火の粉をかぶることができると思われるからです。声明文の日本語版は別ページに掲載し、リンクをはります。
声明文はHTMLファイルのかたちでアップロードし、賛同者リストの後にこの件に関するコメントを受け付けるためのブログへのリンクをはります。Livedoorでとったアカウントが遊んでいるので、そちらを利用することを考えています。リンクは特定のウェッブサイト、ブログをもたないコテハンの方が賛同の意を表明するためのもの(ハンドルと、主としてコメントを投稿している場所のURLを署名していただくようなかたち)と、その他のコメントを受け付けるためのものとに分けます。

声明文案へのご意見、および英訳文案のご提案を歓迎いたします(声明文は「共同声明」ですのでノークレジットにしたいと思いますが、英訳に大きく貢献してくださった方については、ご迷惑でなければ "translated by..."というクレジットを入れたいと思っています)。声明文は4つの段落に分かれているので、作業分担をまず打ち合わせる、というのもありですかね。

*1:この一文、追記。日本政府の態度はちょっと微妙で、国会議員の中に否定論シンパがいるという問題はありますが、一応政府としては否定論に距離を置いていることは書いておいてもよいかな、と思い直しました。

*2:これはあくまで「各自の事情の許す範囲において」ということですから、南京事件についてのエントリを書いてなきゃいけない、とか今後も書かなきゃいけない、という意味ではありません。例えば私の書いたエントリにはてなブックマークをつけてくださるだけでも、そのエントリがより多くの人の目に触れる確率を高めることによって、一定の効果を発揮するのですから。