CIAの拉致、法廷へ

CIA拉致:伊地裁が公判を決定 世界初の正式裁判に
 【ローマ海保真人】イタリアのミラノ地裁は16日、03年2月にミラノで起きた米中央情報局(CIA)工作員によるエジプト人男性拉致事件について6月8日に初公判を開くことを決めた。CIAによる一連のテロ容疑者の不当拘束疑惑を巡り世界で初の正式な裁判の開始となる。
(中略)
 国際テロへの関与を疑われたエジプト人の男性聖職者は、路上で突然拉致され、イタリアとドイツの米空軍基地経由でカイロへ連行後、収監された。男性は暴行や拷問を受け、「テロとの戦い」の名の下に各地で拉致作戦を繰り返した米国が国際的批判を受けるきっかけになった。男性は最近、エジプト当局から釈放された。
 欧州連合(EU)の欧州議会は、この事件を含む21件を調査し「多くの容疑者は正当な司法手続きなしに拘束・拷問された」と批判している。
(後略)
毎日新聞 2007年2月16日 21時39分 (最終更新時間 2月17日 2時49分)

関連するこちらのニュースでは逮捕状の実効性に疑問がもたれていたが、こちらはついに公判にまでこぎつけた。アメリカのイラク戦争をもっとも熱心に支援していた国家(政府)の一つだったイタリアでの裁判、というのが興味深い。イタリアがアメリカの反発を恐れずこのような裁判を行えるのは、この問題でEUが(おおむね)足並みを揃えているという認識があるからだろう。