イスラエルにおける「開戦責任」論争

Yomiuri Online 2007年5月1日0時43分

レバノン紛争、イスラエル調査委「首相が重大な失敗」


 【エルサレム=三井美奈】イスラエル軍レバノンイスラムシーア派組織ヒズボラによる昨年夏の戦闘を検証してきたイスラエル政府の調査委員会は4月30日、暫定報告書をオルメルト首相に提出した。


 報告書は、首相が攻撃の指揮や判断で「重大な失敗を犯した」と指摘しており、首相に対する辞任要求が一段と高まるのは必至とみられる。


 報告書は、昨年7月に国境付近でヒズボライスラエル兵を拉致した時、首相は状況を十分に検討せず、明確な目標もないまま「性急に」開戦を決めたと指摘。ペレツ国防相やハルツ国軍参謀総長(今年1月に辞任)についても、職務を十分に果たさなかったと批判している。
(後略)

asahi.com 2007年05月03日00時45分

イスラエル首相への辞任圧力高まる、副首相が辞任要求


 昨年夏のレバノン紛争に関するイスラエルの政府調査委員会から「深刻な誤りがあった」と厳しく批判されたオルメルト首相に対し、辞任を求める圧力が急激に高まってきた。政権内で国民の支持率が最も高いリブニ副首相兼外相が2日、首相と会談して辞任を迫った。また、国内の各メディアは同日、首相とともに調査委から批判されたペレツ国防相が辞任を検討している、と伝えた。
(中略)
 首相は、先月30日の調査委による中間報告の発表を受けて、辞任拒否を表明。翌5月1日に無任所の閣僚1人、2日にはカディマの議員会長がそれぞれ抗議の辞任をした。
(後略)

政治家の判断の中でも「戦争」に関するものほど重大な帰結をもたらすものは滅多になく、それゆえもっとも厳しくその妥当性が問われるべきものと言えるが、現実には辞任させるのさえ簡単ではない、と…。