ブクマコメントについて

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20080913/p1

2008年09月14日 shibashuji 歴史, 独逸 「普通のドイツ人」とはドイツの民族性に帰する目的の言葉か。「普通のフランス人」「普通の日本人」でも絶滅収容所はあり得るのか。そうならば何故当時のドイツでそうなったのか。その辺まで説明要かと。

コメント欄でも名前の挙がったゴールドハーゲンについては「本質主義的だ」とする批判も可能だろうけど、ここではとりあえず「一部の、邪悪なドイツ人」との対比で「普通の」と言ってるんですよ。「絶滅収容所をつくりうる民族」と「そうでない民族」とがある、なんてのはこの分野の研究者の(少なくとも)多数派のスタンスじゃないでしょ。先日とりあげたポル・ポト派の大虐殺は「民族性」による説明がうまくいかないことについての教訓も与えてくれてるんじゃないでしょうか。
あと、「その辺まで説明要かと」って、研究者はそこを「説明」するために研究を蓄積しているんであって……。


http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20080914/p1

2008年09月14日 kybernetes 実在派にしても捏造派にしても、歴史に善悪論を持ち出すのがそもそもの問題に見える。正しさの検証と善悪がリンクするのは良くない。証拠なんて書き換わるときは書き換わる。

第一に「善悪論」なんてどこにあるんだ、あんたは何を読んでそう思ったんだ? と。「正しさの検証と善悪がリンク」って、具体的な根拠プリーズ。むしろ「歴史に善悪論を持ち出すな」という紋切り型だとか「証拠なんて書き換わるときは書き換わる」などといった実態と関係のない*1シニシズムにうんざり。
第二に、少なくとも虐殺の実態を明らかにするという水準の議論では、虐殺が「悪」であることは基本的に前提で、改めて問題になったりしない。否定論者も虐殺が「悪」だと思ってるから否定しようとするわけで。
第三に…はすでに numberarmytheboots氏も指摘しているので省略。

2008年09月15日 rinsenan ネガの紛失が残念/「光線のあまり良くない条件で、台紙に張った既存のプリントを複写した可能性が高い」という分析が気になる。ツッコむ人はいないのか

人任せにせず言いたいことがあるなら自分で言えばいいのに。写真が撮影された状況が不明であることは記事中でちゃんと書かれていて、それを前提にした記事なんだけどな。

*1:つまり現実の学問史において通説がひっくり返ったり証拠となる文書の評価が大きく変わったりといった事例に基づいて考えてるんじゃなくて−−というのも、現実の学問史には通説が非常に安定しているケースだってあるわけだから−−安直な相対主義、ってこと。