「国民」の戦争責任について
cf. http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__101212.html , http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__101215.html
多くの民衆は、戦争と敗戦にいたる過程を「ダマサレタ」という論理でとらえて納得したが、そこには戦争責任をみずからのものとする意識が欠落しているとともに、旧い価値とのふかい内面的な対決を経ないままに、いち早くあたらしい価値を受容してゆく姿態が表現されていた。
どうです? 1990年代の匂いがぷんぷんしませんか? アイデンティティ・ポリティックスにうつつを抜かすクサレ文化左翼の言いそうなことじゃないですか?
出典は1971年刊の『講座日本史8』(東京大学出版界)が初出の、安丸良夫著「戦後イデオロギー論」(『日本ナショナリズムの前夜 国家・民衆・宗教』、洋泉社MC新書、263ページ)。ちなみに「階級」というタームはこの論文のキーワードの一つです。