どの口がそれを言うんや(追記あり)

 かつて、左翼の論文というのは、データ的裏づけに乏しく、ある出来事に対して身勝手な解釈をする、というのがほとんどだった。そして、気に入らない人間にはファシストだと烙印(らくいん)を押す。それらの論文はたいてい陰謀史観で書かれている。
 今回の田母神論文は、まさにかつての左翼論文にそっくりである。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20081113/112209/?P=2

「かつて」とか「左翼の論文」ってのは大雑把という表現すら生温い、批判の基本的な原則を踏み外したくくり方だが、左翼には左翼で陰謀論の系譜があることは事実。とはいえ、根拠レスな*1ロッキード事件陰謀論を流布させた当事者であるお前が言うな、と。まずは自分のケツを拭け。


追記:コメント欄のやりとりをふまえて。
そもそも「国策捜査にやられた」と言ってる佐藤優自身が、「秘密」情報のほとんどは公開された情報から引き出せる、とか言ってませんでした? 私は「一般人が知らされてない秘密」より誰でも知ってるのにスルーされていることの方がやっぱり恐いと思いますよ。バカ以外はイラクに(もはや)大量破壊兵器がないことを知ってたのにブッシュの戦争を止められなかったこととか。また自分でも忘れてたんですが、今年の4月にすでに元空幕長の歴史認識はとりあげてたんですね。
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20080410/p2
固有名詞の記憶力が悪いんで自分のなかで直ちにつながらなかったんですけど。また、そこのコメント欄ですでに vagabondさんが今回問題になった福地惇統合幕僚学校での講義案のことを紹介してくださってます(こちらはさすがに覚えてましたが)。野党やマスコミは「田母神論文」で騒がれたのと実質的に同じことを少なくとも半年前には問題化しえたのに、アパと元空幕長が自慢げに宣伝するまでスルーしてきた、ということですね。もちろん自分自身の危機感の不足も恥じねばなりませんが。

*1:そもそも日中国交回復が72年、オイルショックが73年、金脈問題で田中が退陣したのが74年なのにロッキード事件の発覚は76年。これだけでも陰謀論のいい加減さは明らかなのだが、田原総一朗があげた根拠って、田中を(或は自分を)弁護する動機のある人間が語る憶測だけなんですよ。実際に読んでみたらビックリしますよ。