『正論』、元空幕長に賭ける!
『WiLL』が「大人の常識」に向かってドン・キホーテよろしく突撃した件についてはすでにとりあげた通りですが、『諸君!』と『正論』の新年号の内容も明らかになりました。『諸君!』の方は平沼赳夫議員による「わが友 麻生総理よ、漫画はもうやめておけ」という「時すでに遅し」な寄稿をメインに据え、例の件については「防衛省大研究」と題した小特集において「自衛隊は「暴走」する とどまるところを知らない汚職、事故の連鎖。「統制なき軍事組織」の実態を直視せよ」なる記事と並べて「田母神論文には、秘められた「救い」がある さらば問う。「村山談話」は世の手本となるほど、バランスのとれた史観に基づくのか」(佐瀬昌盛・防衛大学校名誉教授)を掲載する他は、コラム「紳士と淑女」で触れているだけのようです。見事に日和りましたな! 『文藝春秋』の発売はまだですが、『諸君!』でこれですから推して知るべしでしょう。
他方、期待の『正論』です。
<総力特集>誰も語らぬ田母神問題の本質
「戦後」の呪縛が日本を自壊させる
何があっても大丈夫な日本へ 孤立と摩擦を恐れず「実力」発揮を
米次期大統領誕生とわが航空幕僚長更迭のはざまで「国益」を考える。わが国の未来を明るくするカギは一体どこにあるか
評論家・社会貢献支援財団会長 日下公人
………………………………………………………………………………………………………………………………………………
田母神問題は「第二の栗栖事件」だ
問われるべきは国防義務違反の有無であって、論文の質や内面の思想信条ではない。
「文民統制」をはき違えた空幕長更迭がもたらす深刻な士気低下
軍事評論家・元航空自衛隊空将 佐藤守
………………………………………………………………………………………………………………………………………………
「村山談話」を踏み絵にする永田町の救いなき売国体質
ジャーナリスト 花岡信昭
………………………………………………………………………………………………………………………………………………
思想信条をめぐる朝日新聞の恐るべきダブルスタンダード
日本大学教授 百地章
………………………………………………………………………………………………………………………………………………
あえて浜田靖一防衛相に直言する
筋違いも甚だしい田母神氏への退職金返納要求
産経新聞論説委員 乾正人
………………………………………………………………………………………………………………………………………………
OBが直言!
防衛大を蝕む五百旗頭イズムの大罪
チャンネル桜キャスター・防衛大37期卒 濱口和久
………………………………………………………………………………………………………………………………………………
〈載録〉日本は侵略国家であったのか――防衛省前航空幕僚長 田母神俊雄
見ん事『WiLL』と張りあう覚悟を決めたようです。麻生総理お気に入りの評論家の名前があるように思えるのは気のせいでしょうか。産経新聞、『WiLL』に続いて『正論』も田母神「論文」を掲載しさらには受賞論文集も出るのでしょうから、トンデモ度×印刷部数=恥さらし度ではギネスブック級かもしれません。
ちなみに『正論』は「沖縄戦集団自決「大江裁判」控訴審 裁判長こそ証言者への名誉棄損ではないか」(藤岡信勝・拓殖大学教授)、「「悪魔の証明」を振りかざす司法の愚」(石川水穂・産経新聞論説委員)という往生際の悪い原稿2本も掲載しています。「悪魔の証明」なんてネットで頭の悪い南京事件否定論者が使う言葉だとばかり思っていましたが……。