田母神「論文」最優秀賞、元谷代表が主導?

asahi.com 2008年12月1日 「アパ代表のみ田母神氏に最高点 論文審査で」

 航空自衛隊田母神俊雄・前航空幕僚長(60)が日本の侵略を否定する論文を発表し、更迭された問題で、懸賞論文を主催したアパグループ元谷外志雄代表)による審査経過が複数の審査委員(代理を含む)の証言で明らかになった。元谷代表は当初から田母神氏の論文と知り得る立場で審査に加わり、メンバーで唯一最高点を与えていた。田母神論文を含む3作品が同点で並ぶと、元谷代表は田母神論文を推していたという。
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これはまあ別に驚くに値しないはなしであります。

 委員の一人、花岡信昭氏によると、審査の後、元谷代表が審査前から田母神氏の論文応募を知っていたことを明かしたという。元谷代表は審査委員に名を連ねておらず、アパ側は元谷代表が採点に加わっていた事実をこれまで公表していない。
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 一覧表では、田母神論文と大学生、近代史研究家の論文が合計点数で同点に並んでいた。元谷代表の提案で大学生の論文をまず優秀賞に落とし、残った2作品のうち、元谷代表が田母神論文を推した。「異存ありませんか」と元谷代表が各委員に確認したが、反対意見は出なかったという。

あれ? 花岡信昭氏は審査過程について次のように説明していたはずです。

 寄せられた論文235点をアパ側がまず25点に絞り込み、審査委員は執筆者名が伏せられた作品を読んだ。2回目の審査会の前にそれぞれが最優秀賞から佳作までの候補作品を選び、得点をつけてアパ側に送った。これを審査会で集計し、元谷氏を含めた5人全員が点を入れた田母神論文が最高点となった。
(http://hanasan.iza.ne.jp/blog/entry/791778/)

花岡氏はこの時点ですでに元谷氏が実質的に審査に参加していたことを認めています。「審査の後、元谷代表が審査前から田母神氏の論文応募を知っていたことを明かした」というのが審査のための会合が終わった直後、を意味しているのだとすると、花岡氏は元谷氏が田母神「論文」を空幕長(当時)のものと知ったうえで「メンバーで唯一最高点」を与えたことを知っていながら、上記の釈明ではそれを隠していたことになりますね。
まあしかし、これもあの駄文に「点を入れた」ことに比べればどうってことはないかも。あれに300万円、を花岡氏は承認したわけなので、来年から拓殖大学で彼の授業を受講する学生さんは単位の心配をする必要がなさそうですね。