「続 検証・前空幕長論文の底流」

単発ではなくて2日連続の企画だった。リード、小見出しは「政界 共感が見え隠れ」「批判の比重「立場が問題」」「制服人事に目届かず」。「「負の歴史」全否定は不健全」と題して西原正・全防衛大校長のコメントが紹介されている。
記事では自民党衆議院議員武田良太防衛政務官の発言が引用されている。

 「自衛官が自らの国の歴史に正義感を持たずして、崇高なる任務を果たせないのは、ご理解いただきたい」

「国の歴史に正義感を持」つ、というのがいったいどういうことなのか、私にはよくわからない。なんか「国の歴史」の後に恰好良さげな言葉をつなげただけの空疎なフレーズにも思えるが、「歴史」と「正義」の組み合わせから私が考えるのはなによりも「インチキをしない」ということだ。そしてデリダなんぞをひきあいに出してミソもクソもいっしょにしてしまうポリティックスを見過ごす欺瞞を見過ごさないこと。

 「我々は歴史認識を強要する権限は持ち合わせていない。自由な発言と自ら学んだことに信念を持つことは誰にも侵されない」

それ自体としてはまことにけっこうな言葉である。しかし防衛政務官が心からこの発言にコミットしているなら、統幕学校での授業の実態(成績評価も含めて)をきちんと調査することの重要性は理解できるはずである。