「「戦争とラジオ(2)」ほか(追記あり)
今晩は例の『坂の上の雲』の第4回が放映されるわけですが、他にも次のような番組が予定されています。
米国立公文書館で太平洋戦争中の国際放送「ラジオ・トウキョウ」の録音テープ130巻が見つかった。アメリカの外国放送傍受諜(ちょう)報局が録音したもので、英語・日本語ニュースをはじめ、捕虜を使った番組や東京ローズによる音楽放送も含まれている。こうしたプロパガンダ放送にアメリカも対抗。電波によるもうひとつの戦争が繰り広げられた。発見された録音や関係者の証言によって、戦時中の国際放送の実態を明らかにする。
(http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=202&date=2009-12-20&ch=31&eid=288)
太平洋戦争を通じて日本海軍の主力戦闘機だった零式艦上戦闘機“零戦(ぜろせん)”。旋回性能や航続距離など優れた運動性能と開戦当初の華々しい戦果により、数々の伝説に彩られてきた。しかし、実際には戦争の進展とともに敵の格好の標的になり、戦争末期には特攻機としてパイロットともども無残な“死”に追いやられるなど悲劇的な結末をたどった。その誕生から終えんまでの5年におよぶ歩みを日米元パイロットらの証言で描く。
(http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=202&date=2009-12-20&ch=10&eid=34991)
まるっきり放送時間が重なってるのですが……。
追記:まずはハイビジョン特集「零戦〜栄光と悲劇の航跡〜」の方をみました(「「戦争とラジオ(2)」は再放送ですし)。世界でただ一機、当時のエンジンで飛行可能な零戦を飛ばすというのが見所の一つとされているわけだが、特に零戦についての理解を深めてくれるわけでもないシーンのためにいくらかかったんだろう? もちろん、元搭乗員やかつて軍国少年だった世代にとっては感慨深いかもしれないが、だったら地上波で放送してあげればよいのに。
他方で元搭乗員や整備士たちの証言はなかなか興味深かった。テスト飛行や初の実戦に参加したパイロットがまだ存命で元気な様子で証言していたのにはびっくり。特に印象に残ったものは次の3つ。
・真珠湾攻撃に参加したパイロットが、米軍の空母を撃ち漏らしたことについて「わたしたちは空母の力をよくわかっているから、これから大丈夫かなぁと思った」といった趣旨のことを証言。後の体験による記憶の再構成が行われている可能性はあるが、もし正しい記憶なら「大戦果」に浮かれている人々ばかりではなかった、ということになる。
・「空は広い」 陸軍の兵士の体験との比較で、100機対100機の大空戦でも「空は広い」から、自分たちにとって「死ぬ」とは「いなくなること」だ、と。
・戦争中は敵機を追いかける体験しかないという元パイロットが、戦後はなぜか追いかけられる悪夢ばかりみる、という証言。