8月17日放送の番組

日本軍の医師として前線に赴き、傷病兵の応急処置や緊急手術を担った軍医。数多くの死と直面してきた。求められたのは、傷病兵の一刻も早い原隊復帰。前線の戦力増強が最優先され、命を救うことが軽んじられる場合もあった。太平洋戦争のさなか、傷つき倒れた兵士たちを前に、軍医はどのような行動をとったのか。知られざる陸軍軍医たちの戦争を見つめる。
(http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2011-08-17&ch=10&eid=20395)

このシリーズでは以前に従軍看護婦の証言がとりあげられたことがありますが、今回は軍医編です。

俳優・勝野洋は、父の最期の言葉が忘れられない。「ああ、みんなだ」。父は戦時中のボルネオ死の行軍という惨劇の生き残り。一体何があったのか。初めて真実が明らかに。
(http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=202&date=2011-08-17&ch=21&eid=20611)

戦争を直接体験した世代の人びとがすべてこの世を去ってしまうのもそう遠いことではありませんが、親世代のトラウマ的な体験の間接的な影響を受けた世代はまだまだ健在です。今後の研究課題の一つと言えるのではないでしょうか。

  • 8月17日(水) 24:15〜25:13(18日0:15〜1:13) NHK総合 NHKスペシャル「圓の戦争」(再)

中国戦線において日本軍が重慶政府の法幣に対抗しようとしたことについてはいくつかの回想記にも記されていますし、手軽に入手可能な文献としては例えば『日本軍政下のアジア−−「大東亜共栄圏」と軍票−−』(小林英夫、岩波新書)などでも扱われていますが、戦争の経済的な側面については不勉強なもので、「預ケ合」というカラクリによって調達された戦費のツケがいまもなお「旧臨時軍事費借入金」約414億円として残されていることなどは初めて知りました。現在のアメリカにしてもそうですが、戦争こそは子孫にツケをまわすバラマキの最たるものだと言えましょう。