こちらの振り付け通りに踊ってくれる人々

昨日のエントリは「証拠はあるの?」と言いたがる歴史修正主義者や自称中立の面々が、いざ「資料はここにあるよ」と指摘されても自分の目と頭でそれを検討してみることなど99.9%ないという事態をふまえて、いわば挑戦状として書いたものです。さらに、『季刊 戦争責任研究』第58号に掲載された資料を紹介するにあたっては、同号に掲載された資料のさらに一部を紹介しているにすぎないこと、また「一つ一つの「証拠」が明らかにするのはその事象のごく限られた側面」でしかないことをただし書きしておきました。
以上をふまえるなら、昨日のエントリに対する次のような反応は、本来であれば赤面を通り越し顔面から遠赤外線がガンガン放射されて肉や魚を備長炭よりおいしく焼けてしまうくらい恥ずかしいものである、ということになります。


・『季刊 戦争責任研究』第58号の当該ページを自分の目で見てもいないのに噛み付いてみせる
・昨日のエントリで紹介した部分だけに反応して、それ以外の膨大な資料(その一部がこちら)とあわせて評価することをしない


では、頼まれもしないのに羞恥プレイにいそしみ私の目論見を見事実現してくれた皆さんをご紹介しましょう。

m-matsuoka 南京事件 *これはひどい 歴史
このように「南京虐殺の証」と戦闘・戦争があった証拠を混同させるのが歴史捏造・プロパガンダの常套手段。(中略)2013/05/01

コメントは不要でしょう(笑)

unaken
内容の真意はともかく、こんな光景は戦場では日常。少なくとも自分は、可能な限り入手できる資料をもとに自分の頭で考えて主義主張してるんだよ。もちろん極端な例もあるけどな。 http://www.history.gr.jp/~nanking/lie.html#022013/05/01

おやおや、「可能な限り入手できる資料をもとに自分の頭で考えて主義主張」した結果が、カビの生えたような否定論サイトのURLですかw ちなみに『季刊 戦争責任研究』のバックナンバーは「日本の戦争責任資料センター」に申し込めば簡単に入手できるので(58号は私もそうして入手しました)、「可能な限り入手できる資料をもとに」考える人であればとっくに入手している筈の資料です。そうなんですよね?

sonickhedge トニイパンディ 捏造の手法
こんなことやってるから中道にもそっぽ向かれるんだよ。ここの写真が全て書かれていたとおりだとして、南京大虐殺の証拠にはならないだろ?それが理解できないの?それともわざと?2013/05/01

これこそ私が待ち望んでいたブコメのひな形と言えます。「それが理解できないの?それともわざと?」というのはこちらの方が言いたい台詞(笑)

dadabreton
素人は口出すなって言ってるのと同じだね。経済的・時間的に普通の人は全部読めない。→「定番の資料集リストを第一弾として提示したうえで「全部読み終わったらまた連絡ください。続きを教えます」」2013/05/01

実際、「口を出さない」という選択肢もあるんですよ。でも、口を出したいんでしょ? 口を出したいなら、それにふさわしいだけの努力はしないとねぇ。それにしたって、図書館にいくか千円出して雑誌のバックナンバーを読んでみる程度の手間すら惜しむやつが「素人は口出すなって言ってるのと同じ」なんて捨て台詞を吐くのは、カッコワルすぎるよ。

yarukimedesu はてな 社会 世界
私が高校の時にみた黒の章みたいなビデオも本当のことだったんだろうな。2013/05/01

ハア、マアソウナンジャナイデショウカ……

naitawaratta
こんな映りの悪い写真と作り話をミックスして証拠と言われても誰一人納得はしないだろう。2013/05/01

で、もちろん図書館に行ってみるという労すら惜しんでるわけです、こいつは。

jassmaz
プーチンじゃないけど、60年以上前のことを感情的にとやかく言うのは大人のやることじゃないですよね。2013/05/01

いまだに必死になって東京裁判に文句言ってる連中のことですね、わかります。

richest21
南京攻略戦で多数の死者が出た証拠、ではなくてあくまで「南京大虐殺」が行われた証拠を見たいよね。東京大空襲や広島・長崎を人数だけで「大虐殺」とは呼ばんでしょ?(個人的には呼びたいが)2013/05/01

「個人的に呼びたい」の? だったら呼べばいいじゃん、広島・長崎も、南京も。私は文句言いませんよ?

ooblog
南京事件~中国側が「三十余万人」、日本側が「20万人が上限」~米ロサンゼルス市の高校~日中両国の有識者の主張より多い「40万人」の記述(http://dontena.doorblog.jp/archives/18933187.html )2013/05/01

それがなにか? ちなみに広島の原爆死没者名簿には28万人超の名前が記載されてます。

norinorisan42
南京事件がどういう事件であったのかを検証するための資料として議論の壇上に挙げる、くらいなら意味があるだろうに、あった/なかったという議論してる人たちだけを対象とする風にみえるなのがなんだか2013/05/01

はい、まずはこれらの資料集をちゃんと読んでから出直しましょう。「どういう事件であったのかを検証するための資料」ですから。

yingze ブックマーカーオチ
一番端っこ叩く遊び2013/05/01

その「一番端っこ」が実に分厚い層なんですな。嘘だと思うなら、とりあえず『季刊 戦争責任研究』第58号をちゃんと読んだことのある南京事件否定論者を100人ばかり紹介して下さい。それができないならあんたのやってることは単なる難癖。

mizunons
あれ?昔って「南京大虐殺」って「大」が付いてなかったっけ?いつから「大」が外れて「南京虐殺」になったの??2013/05/01

「大」がつくかどうかにしか関心がない人なんですね。

blue1st
史料を読もうよという意見は分かるんだが、今回持ちだされた写真だけだと「これが証拠だ!」スカッ感が半端ない。2013/05/01

映画の予告編に結末がないと文句言う人なんだろうな、この人は。

Capricornus
少なくとも結論づいてないものを学会じゃ決着がついてるだの言って"あった"と言う結論を急いでる連中は学会にとっても迷惑な存在なんじゃない?もちろん、"なかった"と言う結論も時期尚早だけど。2013/05/01

ふむ。「迷惑」かどうか、ぜひ関連諸学会に問い合わせてみてくれないかな? 報告を待ってるぜ!

hahiho
日本の近代史学者がマルクス史学の手法をベースに南京事件の政治的利用価値を死守する姿は、原発村の御用学者の有り様と大差ないな。それを裏返しに否定しようとするだけの右翼が馬鹿丸出しになるのも当然ではある。2013/05/02

具体的な指摘を切望>「マルクス史学の手法をベース」 それができれば、君は明日から右派論壇のエースだ!

okachan_man
肯定派と否定派が入り乱れて私にはさっぱりわからんのだけれど、「わからない」という態度を示すことさえ憚られるのがなんだかややこしい。2013/05/02

そりゃ、「わからない」が知的に誠実な態度であるためには、それなりに調べてみることが必須だから。わかろうとする努力すらせずに「わからない」と抜かすことが許されると思うな。わかる気がないなら「わからない」などと言わずに「わかるつもりがない」と言え。

hihi01
昨日、たまたま南京侵攻時、その場にいた方のお孫さんと会って、当時の日記、手帳の画像を見せてもらった。内容からいって、日にちからいって、少なくとも数十万人を逆札することは不可能だっただろうというのが、昨2013/05/02

「ジグソーバルズの一片を見ただけですべての絵柄がわかった気になる」症候群。
トリはこの人につとめてもらいましょう。

enderuku
不鮮明な画像出して認めろ!って言われてもなあ。ネット上の取引で「振り込みました、振込明細票の画像を送りましたので商品先渡しお願いします」ってこのぐらいのぼやけた画像(数字の判別不能)送られた事がある。2013/05/01

今回は特別に、『季刊 戦争責任研究』第58号に掲載された写真の現物を見せてもらう方法を伝授しましょう。まず、雑誌に掲載されたものをスキャンしてさらに縮小した画像だけをみてぐちゃぐちゃ云ってるようじゃお話しになりません。『季刊 戦争責任研究』第58号を閲覧することは最低限中の最低限の条件です。次に、雑誌に掲載された写真ではわからないが現物を見ればわかるかもしれない事柄について説得力のある仮説を構築することが必要です。研究者は暇人じゃないので、具体的な根拠もなく「現物を見せろ!」と抜かす輩の相手をいちいちしているわけにはいきません。そんな要求を無際限に認めねばならないとすれば、研究者に対する嫌がらせの手段が限りなく許されることになってしまいます。で、あなたが非常に説得力のある仮説を構築できたら、次はそれを論文にしてみましょう。幸い、『季刊 戦争責任研究』は「日本の戦争責任資料センター」の会員に限定せずに論文の投稿を受けつけています。執筆要綱は『季刊 戦争責任研究』に掲載されてますよ。もちろん、それなりのクレディビリティを備えた雑誌であれば別に『季刊 戦争責任研究』でなくてもかまいません(『WiLL』では無理です、念のため)。そのうえで、『季刊 戦争責任研究』編集部に対して、「58号に掲載された写真の現物を見たい」と申し出てみましょう。そこまでやってもなお現物の閲覧が許されなかったとすれば、私もあなたとともに『季刊 戦争責任研究』編集部を非難することにします。