右翼の横やりで「お蔵入り」になっていた証言ビデオ、公開へ

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 東京都が1990年代に収集しながら大部分が非公開となっている東京大空襲など戦争体験者330人の証言ビデオについて、都は113人分を新たに公開することを決めた。21日夜の都議会代表質問で表明した。新たな公開は22年ぶり。都民の戦争体験を継承する取り組みが一歩、前進する。

注目すべきは、関東大震災時の朝鮮人虐殺を否認している歴史修正主義者の小池知事の下で公開が決まった、という点です。

都平和祈念館(仮称)計画が頓挫した理由はこの記事では曖昧にされていますが、日本の加害についても触れようとしたため右翼都議が潰したというのが実態です。本日文春オンラインで公開されたコラムにその事情がかんたんながら書かれています。

 センター〔東京大空襲・戦災資料センター〕のルーツは、空襲体験者であり、空襲を描き続けた作家・早乙女勝元らが1970年に結成した「東京空襲を記録する会」。会はかねてから東京都に対して、空襲祈念施設の建設を要望していた。それを受け、都営の平和祈念館設立計画が立ち上がったのだが、問題が起こる。計画には、現在のセンター同様に、近隣国への加害についても展示内容に盛り込もうとしていた(会としては「東京空襲を中心とする平和博物館」を、というニュアンスだった)。

空襲体験証言の公開そのものは歓迎すべきことですが、「被害は語り、加害は語らず」という戦後日本の悪しき姿勢の現れであることも心に留めておきたいところです。