やっと買えた…

清水寛編著、『日本帝国陸軍精神障害兵士』、不二出版。共著者は細淵渕富夫、飯塚希世。3人とも障害者教育学ないし関連分野の専門家であるようだ。「日本近現代障害者問題史研究の一環として、戦争史・軍事史の先行研究に学びながら戦争・軍隊と障害者問題の史的研究にもとりくみ始めた」とのこと。
目次は次の通り。

I 陸軍懲治隊と陸軍教化隊
第1章 陸軍懲治隊と徴兵制―近代初期における軍隊と障害者問題
第2章 陸軍教化隊と国家総力戦体制下の徴兵検査
II 日本帝国陸軍精神障害兵士
第3章 国府陸軍病院収容の精神障害兵士の概況
第4章 日本帝国陸軍と知的障害兵士
第5章 日本帝国陸軍と戦争神経症兵士
第6章 敗戦前後の陸軍病院での精神障害患者の状況
III 精神障害兵士の戦後
第7章 戦傷病者特別援護法等の受療者の概況
第8章 「未復員」精神障害者を訪ねて

直接的には(お察しのように)第5章が目当てで買ったのだが、買ってみると他の章も気になる内容。第5章では南京事件に関連してたびたび言及されている早尾乕雄陸軍軍医の『戦場神経症並ニ犯罪ニ就テ』もとりあげられている。
さて、本書が重要な資料として利用しているのが国府陸軍病院の『病床日誌』なのだが、その「編集復刻版」が同じ版元から全7巻で刊行予定。しかし全部で14万円!


この本、この前の日曜日の書評で知ったのだが、その後あちこちの大型書店に足を運んだものの店頭在庫がなく、今日になってようやく見つかった。正誤表がついていたのだが、ひょっとしてこれが原因か?
同時に小林英夫の『満鉄調査部の軌跡』(藤原書店)も購入。満鉄調査部については調べずにすませることはできまいと思う反面そこまで手を伸ばしたくない…というアンビバレンツで悩んでいたのだが、思い切って。