ウィリアムソン司教問題、続報

AFPBB News 2009年02月05日 「ローマ法王への非難高まる、ホロコースト否定司教の破門解除で

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 ドイツで最大部数を誇るビルト(Bild)紙は3日、社説で「法王は重大な間違いを犯した。何よりも、法王がドイツ人だということが問題だ」と指摘し、「ベネディクト16世は、世界におけるドイツのイメージを著しく損ねている。600万人のユダヤ人を殺害したことを否定する発言をした人間は、ドイツでは訴追される」と強調した。 


 ローマ法王が同司教の破門を解除したのは、ナチス・ドイツアウシュビッツ(Auschwitz)強制収容所解放64周年記念日のわずか数日前のことだった。
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 この問題について、ドイツのアンゲラ・メルケルAngela Merkel)首相は3日、各国の国家指導者としては初めて、法王の批判を行った。メルケル首相は法王の行動は看過することはできないとし、バチカン当局に対し、ナチス・ドイツホロコーストが「否定できない事実だと明確にすること」を求めた。

CNN.co.jp 2009.02.05 「ホロコースト否定、撤回を バチカンが超保守派司教に命令

ローマ(CNN) バチカン当局は4日、ナチスドイツ時代のユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を否定し論議を呼んだリチャード・ウィリアムソン司教に対し、発言を正式撤回するよう命令したことを明らかにした。
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バチカン国務長官を務めるベルトーネ枢機卿は、ウィリアムソン司教が発言を撤回しない場合、聖職者としての職務を禁止されるだろうとの見解を示した。同枢機卿は、ホロコーストに対する同司教の立場が「無条件に受け入れ難く、法王に拒絶されている」としたうえで、法王が同司教の見解を復権当時に把握していなかったと説明した。

ローマ教皇がドイツ人(しかも戦中派の)ということで一層反響が大きくなっているけれども、ヴァチカンについてはもともとホロコーストに対して沈黙を守ったこと、またドイツの敗戦後にナチ高官の逃亡を教会関係者が支援したことがあって、他人事ではあり得ない問題である。