安倍内閣によれば、東京大空襲は「違法」とは言い切れないとのこと

で、紙議員への答弁書と同じ5月7日に、福島みずほ議員の質問主意書質問第84号)に対する答弁書も出ています(リンク先PDF)。主意書は東京大空襲に対する政府の見解を問うたものなのですが、「安倍内閣は、東京大空襲について、国際法に違反する行為との認識を持っているのか」という質問に対しては、こう答えています。

 政府としては、当時の状況については様々な見方があり、御指摘の東京大空襲は、当時の国際法に違反して行なわれたとは言い切れないが、国際法の根底にある基本思想の一たる人道主義に合致しないものであったと考える。(後略)

強調は引用者。後略部分には「専門家等により議論されるべきもの」云々という、右翼政治家が都合の悪い質問から逃げるときの常套句が続いております。
で、強調部分です。「違法な殺害だけが虐殺」だと主張する南京事件否定論者によれば、東京大空襲は「虐殺」とは言い切れない、と日本政府は主張すべきだということになります。東京大空襲にせよ原爆投下にせよ、それらを戦争犯罪であると論証するのはそうそう簡単なことではない、というのはかねてから私が指摘してきたことですが(例えばこれ)、同時に私は「違法であること」は「虐殺であること」とそれなりに強い結びつきを持っているものの、後者の十分条件でも必要条件でもないと主張してもいますので、私自身はためらいなく東京大空襲を「大虐殺」と呼びます。