カミングアウトした元「慰安婦」の未成年率

「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター編の『「慰安婦」バッシングを越えて』(大月書店、2013年)の巻末資料2は、これまでに名乗り出た軍「慰安所」制度被害者の概要をリスト化した「各国別『慰安婦』連行状況」というデータですが、「連行方法」以上に目を引くのが「連行年/歳」の項目です。一瞥すれば未成年の割合が極めて高いことがわかります。例えば朝鮮半島出身の被害者52人のうち、20歳未満で「慰安婦」にされたのが45人に達します。もちろんここには、“より年少で「慰安婦」にされた人ほど自らを被害者としてアイデンティファイしやすくなる”というバイアスがかかっている可能性はあります。しかし「性病予防」という軍「慰安所」の目的ゆえに“より若い女性を”という意向が軍の側に働いていたことも考えあわせるなら、この高い未成年率を過少評価すべきではないでしょう。