自分の後頭部に飛来するであろうブーメランを歓迎している人々

戦時性暴力に対して普遍的な視点から考えている人間にとっては、新たな史料の発掘は歓迎すべきことです。しかし産経新聞やその支持者にとって、「慰安婦」問題の「本質」とは強制連行の有無だったはずです。しかし産経の記事を隅々まで読んでも「強制連行」の4文字は見当たりません。米軍による「日本人捕虜尋問報告 第49号」に "professional camp follower" というフレーズがあることをもって日本軍「慰安所」制度が性奴隷制度であることを否定する右派の論理によれば、韓国軍が設置した「慰安所」なるものは "welfare center" にすぎないということになってしまいますね。
秦郁彦センセーのコメントに対しては、「吉田清治的強制連行がなかったのなら日本軍『慰安婦』制度は無問題、と考える人間に韓国軍慰安所のことを言う資格はないという意見も出るだろう」とだけ述べておきます。