橋下市長、「旧日本兵慰安婦問題」を捏造
すでにニュースで聞き読んでいる方がほとんどだと思いますが、吉見義明・中央大学教授の公開質問状からは逃げ回っている男が、大阪市の公的リソースを用いてサンフランシスコ市議会に公開書簡を送っております。内容的には従来の言い訳の繰り返しで見るべきところはないのですが、公開書簡の日本語版で「旧日本兵慰安婦問題」なるものを捏造していることは注目に値します。過去にツイッターでも「日本兵の慰安婦利用」といった表現は用いていましたが、今回は「慰安婦問題」の責任主体を明確に「旧日本兵」としております。おそらく、“強制連行は国家の意志によるものか”という、彼がつくり出したニセの論点を強調したがために、「旧日本軍慰安婦問題」という表現を避けねばならなかったのでしょう。私の見落としでなければ、「旧日本軍」という表現は、「旧日本軍によって利用された慰安婦」という形ででてくるだけです(強調は引用者)。「利用」以外の関与を否定しようとする意図が透けて見えます。
もっとも、卑怯というべきか間が抜けているというべきか、「旧日本兵慰安婦問題」に対応する英語のフレーズは "the problem of “comfort women” by the former Imperial Japanese Army" となっています(当たり前ですが)。ここで "former Imperial Japanese soldiers" とすれば「軍の組織的関与を否認している」と(正しく)理解されてしまうことは避け難いでしょうからね。