「戦時中の動物園」展2017

2008年にレポートした大阪市天王寺動物園「戦時中の動物園」展、久しぶりに行ってまいりました。
2008年のときは、『朝日新聞』が報じたヒョウとその飼育係の男性が展示の中心でしたが、今年はゾウが中心の展示でした。


2008年の主役だったヒョウと飼育係の男性。



こういう展示があるのは大阪市立の施設ならではで、いいことだと思います。子どもにはちょっと難しいでしょうが。


展示の中にいまどき「日華事変」などという表記が出てきたのはいただけませんが、他方でアフリカ各地の内戦で生息地を奪われる野生生物のことや、ガザの動物園の窮状などが扱われていたのは非常によかったと思いました。20日の日曜日まで開催されていますので、お近くの方でついでがあればぜひ。



当ブログのシンボルであるリタとロイドの像にも久しぶりに再会。まあしかし、ジェンダー秩序がバッチリ刻印された像ではありますね。
「戦時中の動物園」展にももちろん彼らの姿はありました。リタと死産だったその娘の剥製も今回は展示されていました。なんといっても、当時撮影された無声の映像が放映されていて、動くリタとロイドに会うことができます。もっとも、あの時代のことですから、扱いは完全に“猿回しの猿”です。ニホンザルならよくてチンパンジーならダメ、というわけじゃありませんが。チンパンジーが「黒猩々」と表記されてたり、ロイドが日本風の名前を募集! なんて記事が載った当時の新聞のコピーも展示されていました。もっとも、動物園を一時逃げ出した事件が「新世界のコング騒ぎ」と報じられていて、アメリカ映画の印象が強く残っていたこともわかるのですが。