NHK「JAPANデビュー」訴訟のその後

昨年11月に NHK の一部敗訴判決が出た「JAPANデビュー」訴訟ですが、その後昨年の12月11日付で NHK が上告しています。まだ控訴審の判決文はざっと目を通しただけなのですが、「人間動物園」という表現をめぐる争いについて、差別表現の理解という観点からかなり疑問のある判決、という印象を受けました(取材・編集に際して配慮に欠けた点があったことは認めたとして、なお)。とはいえ、まだ地裁判決との照らし合わせもしておりませんので、これについてはまたいずれ。
ところで、控訴審判決は日本人原告を含む大部分の原告の控訴についてはこれを棄却し、ただ一人の原告についてのみ原審の判断を覆したにすぎません。「一万人集団訴訟」と息巻いていた右派論壇的には「ほとんど敗訴」と言ってもよさそうなのですが、どうやら目一杯利用するようです。月刊『正論』の14年2月号は「裁かれた反日動物園 NHK「JAPANデビュー」訴訟」という特集を組んでいます。しかし、「人間動物園」という表現が差別的だと訴えていたはずの右派が「反日動物園」とは一体どういうことでしょうね。そもそも控訴審判決でも「人間動物園」という描写が「反日」であるなどとは認められていないのですが。水島連隊長は「最高裁への不当上告はNHK解体への一里塚だ」とブチあげておいでですが、せっかく安倍首相のお友達を経営委員に送り込んだのに、解体しちゃっていいんですか?
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さてこれとは別に目を引いたのが西尾幹二先生の「大東亜戦争の文明論的動因・前篇」です。なんと、「「天皇」と「人類」の対決」を謳い文句にしています!