最高裁は「受忍論」を否定できるか

68年前の今日未明に始まった東京大空襲の被災者・遺族が提訴した、いわゆる東京大空襲訴訟については09年に一審判決(原告敗訴)が出た際に取り上げましたが、その後昨年4月25日には高裁判決が下り(請求棄却)、原告が上告して現在に至っています。一審判決の特徴として最高裁判例のいわゆる「受忍論」に言及しなかった点が指摘されていましたが、この点は高裁判決でも踏襲されました。弁護団は最高裁でも「受忍論」が採用されないことを目標としているとのことです。戦後補償における官民格差*1の欺瞞性をよりいっそう際立たせるこの「受忍論」のロジックが否定されるのかどうか、心に留めて判決の日を待ちたいと思います。

*1:もちろん軍人についても階級等により格差があったことは無視できませんが。