自業自得

歴史修正主義を国内で「政治カード」化している安倍政権の態度はスルーしておいて「対日外交カード化」などと報じる日本のマスコミは救い難いですね。「慰安婦」問題が「外交カード」になるのはひとえに安倍政権の歴史修正主義的言動のせいなのですが。
ところで、吉林省の档案館に収蔵されている旧日本軍文書については、当ブログでも何度か言及したことがあります。
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20060330/p1
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20070108/p2
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20080227/p1
したがって今回の「発見」も(詳細がわかるまでは確たる評価は下せないものの)想定の範囲内の事柄である可能性が高いですね。当ブログでは前々から、中国が南京事件を焦点化することはむしろ日本にとって好都合なことであると主張してきました。国民党支配地域以上に残虐な占領統治を行った華北での戦争犯罪を中国が本気で国際社会に告発したとすれば、これまで以上に日本は厳しい視線にさらされることになるであろうし、南京事件とは違って華北戦争犯罪に関しては中国共産党が早くから本格的な調査を行っていたからです。戦争被害者のリドレス運動を妨げる中国政府の方針は正義と人権という観点からみればまったく好ましくないものであり、動機はともかくとして中国が吉林省档案館に収蔵された資料を積極的に公開するのであれば、学術面でも運動面でも一定の進展が期待できます。